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社員にも、商品にも、社会にも、セクシュアリティの壁はいらない。

おぐねぇーさんによるLGBTsフレンドリー企業訪問!第一弾はLUSH!

LGBTsへの理解を示し、LGBTsとともに生きる企業を紹介する「日本の底力」の第一弾は、イギリス発、世界49の国と地域で約930店舗を展開中の自然派コスメブランドLUSHをご訪問!自分らしく生きるプロジェクト取材班が番組ロケに同行して、企業の内側を徹底レポートします!ナビゲーターであり、プロジェクト発起人のおぐねぇーさんも、「LUSHさんは数十年前から僕たちLGBTsにすごくやさしい企業として有名!どんな考えを持っているのかぜひ知りたい」と意気込み十分で、新宿店に向かいました! 

そんなわたしたちを迎えてくれたのは、レインボーのエスカレーター。入口から、LGBTsへの取り組みに期待感が膨らみます!

差別のない社会をみんなが目指す

お話を伺ったのは、株式会社ラッシュジャパン PRマネジャーの小山大作さん。まずはご自身がLGBTsの理解を広めるプロジェクトに取り組むようになった経緯を伺いました。

「前にいた会社でもPRの仕事をしていたのですが、その時から心のどこかで商品を通じて世の中のためになることをしたいという思いがあったのと、LGBTsへの理解という社会課題にも興味はありました。そんな問題意識を、世の中へ強く発信していくべきだと気づかされたのは、当社へ転職してからですね」。

創業時から、人権のみならず、地球環境をはじめとする様々な社会課題と向き合っているLUSH。そんな企業の一員となった小山さんは、入社してまっ先にLGBTsの社会問題に取り組むこととなりました。

「2013年にロシアで同性愛宣伝禁止法ができて、現地でLGBTsの当事者たちが無差別で暴力を受ける状況が起きました。世界中から反対の声があがる中、イギリスのゲイのスタッフが発起人になって世界中のLUSHでLGBTsを支援するキャンペーンがはじまったんです。わたしが入社したのが、その翌年。海外で生まれた大きな波を国内で起こすキャンペーンを担当することになったんです」。

キャンペーンは、当時すでにLGBTsを支援する取り組みを行なっていた自治体にエールを贈るというもの。全国で署名活動をし、LGBTs理解推進に対する日本中の願いを自治体へ届けました。その反響は、小山さんの想像を超えるものだったそうです。

「WEB上にコメントを投稿できる機能をつけていたのですが、3,000以上の声が集まって、その中にネガティブな意見がほとんどなかったんです。しかも、コメントを寄せてくれている人の多くが、LGBTs当事者ではないストレートの方たちのようでした。当事者であろうとなかろうと、みんな差別のない社会で生きたいと思っているんだと実感して、コメントを見ながら涙が出てきましたね」。

LGBTsであることがふつうの会社

LUSHが掲げる信念のひとつに、「ハッピーな人がハッピーなソープをつくることができる」という言葉があるそうです。LGBTsを含む社員の方々がハッピーでいられるための社内環境について伺いました。

「同性のパートナーがいることを申請すると、お祝い金がもらえたり、慶弔・介護休暇がとれるようになる同性間のパートナー登録制度があります。例えばLGBTsの当事者が、パートナーやその家族への介護が必要になった時、セクシュアリティを隠したままだと、事情を会社に説明できず、仕事を休むことができないですから。それでは、LGBTsの社員がハッピーな会社とは言えません」。

LGBTsへの理解ある企業として進化するLUSHには、結果として就職の希望者も増えているそうです。

「当社で働くために必要なスキルセットはストレートの方と同様に求めますが、それを備えているのにも関わらず、セクシュアリティを理由にして素晴らしい人材を逃したら会社としてもったいないですよね。だから当社には、採用の募集をするときに性別を選択する項目がありません。そんな風に、セクシュアリティの多様性に対する理解が社内に浸透しているので、会話の中でもLGBTsであることがふつうに受け入れられていて、当事者がわざわざカミングアウトするとこともないくらいです」。


ちなみに、新宿店の社員用トイレには、マークが何もついていません。男女兼用。さらに、LUSHの展開する商品には、男性用も女性用もありません。

「男性の肌も女性の肌も、十人十色。体質や環境によっても変わりますから、単純に性別でわけられるものではありません」。

トイレにも商品にも性別がない。それは、LUSHが人間を男女の2種類でとらえていないことの証。そんな他の企業では驚かれるような話を当然のこととして話す小山さんを目の当たりにし、おぐねぇーさんは「こんなに進んだ会社がすでに日本にあったんですね」と感心しきり。そして小山さんの次は、LUSHの多彩な商品をお客様へご案内する販売スタッフの方にお話を伺いました。

社内の文化が、自然とお客様への気遣いに。

「プレゼントをしたいんだけど、どれがいいかしら?」そんなおぐねぇーさんの相談に乗ってくれたのが、LUSH 新宿店の山田麻以さん。「パートナーの方は、どんな方ですか?」という山田さんの返答に、「海に行ったり太陽を浴びることが多いくせにデリケートで、面倒くさい人なんです」とおぐねぇーさん。このなんでもない会話を通じて、おぐねぇーさんは自然と相手の情報を伝えている自分にすこし驚いたそうです。

「一般的なブランドでは、『彼女さんへのプレゼントですか?』なんてセリフが自然と出てきそうなところ、『パートナー』という言葉で問いかけられたことで、セクシュアリティを意識せずに会話ができました」。

LUSHでは、接客においてLGBTsのお客様を想定した研修が行われているのでしょうか。山田さんに聞いてみました。

「研修という堅いものはありませんが、日頃から仲間同士でも恋人のことをパートナーと呼ぶ文化があるので、お客様に対しても自然とそういう言葉遣いになりますね。あと、わたし自身のパートナーも女性で、他のお店で気まずい会話を経験している分、LGBTsの方が聞かれて嫌なこともわかるんです」。

LGBTsであることを意識させない接客によって心を開かせることができた結果、常連の女性二人組のお客様が恋人同士であることを打ち明けてくださったこともあるそうです。そんな山田さんが接客で心がけていることは何でしょうか。

「男性だから女性だからという、固定概念を持たないようにしています。男性へのプレゼントを選ばれるお客様から、男性にオススメの商品を聞かれることもありますが、男性でも好みがさまざまなので、性別ではなくその人のことについて教えてくださいとお答えしています」。

そんな山田さんの接客を受けたおぐねぇーさん、「これからも面倒な僕たちのことを気持ちよくさせてくださいね」と、すっかり満足された様子でした。

そうこうするうちに、「日本の底力」のロケも終了。社内の人材に対しても、商品を通じたお客様に対する考え方も、すでに性別という壁が取っ払われているダイバーシティの先進企業、LUSH。一貫した企業の信念から生まれる社会に対するメッセージの裏には、しっかりと根付いたカルチャーがありました。

自分らしく生きるプロジェクトの取材班にとっても、はじめての経験となったフレンドリー企業訪問。あらゆる価値観と向き合おうとする企業の姿勢は、一見するとやさしさが印象として残りがちですが、その裏には徹底的に既存の価値観と戦おうとする強い意志がありました。例えば、大きなビルに入っている製造部門のスタッフが使う共有のトイレにつけられた青赤の男女マークに、あるスタッフが違和感を覚えたことがあるそうです。しかし、その違和感をただ主張しても、ビルの管理会社はすぐに理解はできません。そこでLUSHの社員は地道に説明して理解してもらい、結果的に木目で色分けのないマークに変えてもらったそうです。誰もが自分らしく生きやすい社会の実現は、まだまだこれから。一歩ずつ、粘り強く切り開いていくことが大事なのだと、記者も大いに学ばせていただきました。

「日本の底力」では、これからまだ知られていないフレンドリー企業を毎月1社ずつご紹介していきます。ぜひ次回もご期待ください!

PROFILE

LUSH

創業時から、人にも動物にも環境にもやさしい企業姿勢を貫き、LGBTsをはじめとする人権問題のみならず、さまざまな社会問題に取り組むイギリス発の自然派コスメブランド。世界49の国と地域にて、約930店舗を展開中。

https://jn.lush.com/

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