COLUMN

ジェンダークィアとは?意味や種類について簡単にわかりやすく解説。

世の中の性は男性・女性の二つだけではない。 

LGBTをはじめとしたさまざまなセクシュアリティがあることが、社会的にも少しずつ認識されるようになりました。 

今回、「第三の性」ともいわれているジェンダークィアという言葉を探求していきます。 

ジェンダークィアとは何か、種類、診断などについて解説していきたいと思います。 

性自認を知る 

ジェンダークィアを知る上で確認しておきたいのが、性自認という要素です。 

一般的にセクシュアリティはいくつかの要素で構成されており、それらの組み合わせで定義されることがあります。 

生まれた時の身体的な要素で性別が決まる要素である「身体的性」や、どんな人に恋愛感情を抱くかという要素である「性的指向」などがそれに当たります。 

今回主題であるジェンダークィアを知る上では、「性自認」という要素が大きくかかわってきます。性自認とは一体どのような要素なのか詳しく解説していきましょう。 

性自認とは? 

性自認とは、身体的性に関わらず自分がどんな性と考えているのかという要素です。 

例えば、身体的性は男性でありながら自らを女性と考えている方であれば、「性自認は女性」ということになります。当然、性自認は男性と女性の二択だけではなく、さまざまな種類が存在しています。 

冒頭でジェンダークィアについて「第三の性」とも呼ばれている…ということをお伝えしましたが、まさにこの性自認が大きくかかわっているセクシュアリティなのです。 

ジェンダークィアについて 

ジェンダークィアとは、性自認が男性・女性という部分に当てはまっていない、さらにどちらとも定めていない、流動的という方が自らを表現する時に使用する用語です。 

ちなみに、ジェンダークィアはXジェンダー(ノンバイナリー)やトランスジェンダーと混合されることがある用語でもあります。 

じつは全く同じセクシュアリティかどうかという定義は未だ曖昧であり、厳密にいうと違うという声もあれば、似たようなものと捉えられるという声など、まだ完全に情報がまとまっていない現状があります。 

まず、第三の性があるということを活動家が提唱しだしたのは1900年代。 

しかし、ジェンダークィアやノンバイナリーが世の中に広まり出したのは2010年頃にハリウッドスターがカミングアウトしてからであり、比較的新しい言葉であることも理解できます。 

一般的にはジェンダークィアは性自認において定まっていない方を指す言葉といわれていますが、ジェンダークィアを名乗る方によってさまざまな考え方があることも理解しておくべきかもしれません。 

ジェンダークィアの種類 

ジェンダークィアは、第三の性ともいわれる用語とお伝えしました。 

しかし、ジェンダークィアは広義の意味合いを持っており、その中にはさまざまな種類があることで知られています。ここからは、ジェンダークィアの種類についてお伝えしていきたいと思います。 

ニュートロワ 

ジェンダーが中立しているか、または存在していない方で、自らが第三の性であることを自認している方を指す言葉がニュートロワです。 

ニュートロワは自認している性に男性も女性もふくんでいないところが特徴であり、完全に第三の性と考えているという部分がポイントです。 

そのためか、身体的性という意味で男性か女性の特性を表してしまっている自らの体に不快感を持っている方も多いといわれています。 

アンドロジン 

アンドロジンは、男性と女性が混合したジェンダーの方に使用されている用語です。 

つまり、一人の個人の中に「男性と女性が共存」している方、または中性という概念の方を指しています。 

アンドロジンの方の場合、男性と女性が一対一の割合で存在しているわけではなく、人によって男性60%・女性40%という割合の方など、その性における比率が違っているといわれています。 

ニュートロワの方とは少しニュアンスが違い、自らに男性と女性がいるということを自認しています。 

アジェンダーとジェンダーレス 

ジェンダークィアには、アジェンダーとジェンダーレスという種類があります。アジェンダーは、ジェンダーがない人を指して使われる用語でジェンダーレスと同一語として使用されることもありますが、厳密には違いがあると考えられているようです。 

少し複雑なのですが、アジェンダーはジェンダーがあるけれど存在していないと自認しているジェンダークィア。 

ジェンダーレスは、そもそもジェンダーというものが存在していないと自認しているジェンダークィアを意味しています。 

つまり、アジェンダーは「ジェンダーというものがあることは理解しているが、自分にはジェンダーは存在していない」という考えであり、ジェンダーレスは「ジェンダーなどは、最初から存在していないから自らもジェンダーがない」と考えているジェンダークィアです。 

数多くのジェンダークィア 

ジェンダークィアを理解する上で少し複雑な部分もありますが、種類をできるだけ覚えておく必要があると考えられます。前述したジェンダークィアとは違う、別の種類も考えていきましょう。 

バイジェンダー 

二つのジェンダーを持っている方に使用される用語ですが、特徴的なのが状況及び心理的な理由で1つのジェンダーから別のジェンダーに移行が行われるというところです。 

とある日は男性が6割で女性が4割、翌日は女性が8割で男性が2割という感じで、流動的にジェンダーが変わるジェンダークィアと考えられます。 

トライジェンダー 

トライジェンダーとは、3つのジェンダーを持っている方を指して使用されている用語です。まず、バイジェンダーが二つのジェンダーを持ち流動的にジェンダーが変わると解説しました。 

トライジェンダーは、バイジェンダーにひとつ別のジェンダーがプラスされたと考えると理解しやすいのではないでしょうか。 

女性・アンドロジン・アジェンダーなど、人によっていろいろなジェンダーが組み合わさっているジェンダークィアと覚えておきましょう。 

パンジェンダー 

パンジェンダーは、今までのジェンダークィアとは違い、「全てのジェンダーを有している」方を指して使用されている用語です。 

要するに、この世の中に存在しうるジェンダーを全て持っているジェンダークィアということになります。 

ジェンダーフルイド 

パンジェンダーの方は全てのジェンダーを持っている方ですが、ジェンダーフルイドは1つのジェンダーからさまざまなジェンダーへ移行する方を指す用語です。 

例えば、男性から女性、男性からアンドロジン…など、とくに移行するジェンダーに決まりはありません。 

2個という方もいれば10個、100個という方などそれぞに違いがあるようです。 

ジェンダークィアの診断とは? 

自らがジェンダークィアかどうか診断で判断したい、という方もいるかもしれません。 

近年、インターネットのサイト上でさまざまなセクシュアリティを診断できるようになりました。 

しかし、この診断が全てではありませんし、当てはまっているいないで自らのセクシュアリティを100%決めることは危険です。ここではジェンダークィアの診断項目を簡単に記載しますが、あくまで傾向として確認しておきましょう。 

ジェンダークィア診断 

日によって男性の気分、女性の気分などころころ変わる 

周囲から見られている性に対して強い違和感を感じる 

男性、女性としてこれから生きていくことに不安、または違和感を感じている 

書類において男性と女性の欄しかないことに違和感を感じる 

いろいろな性を知る 

ジェンダークィアを理解することで、さまざまな性への理解も進むはずです。ジェンダーは多様でありひとつではない。ぜひ、いろいろな角度から各セクシュアリティについて理解を深めていきましょう。 

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