interview
2丁目系YouTuber 2すとりーと 個性を武器に、YouTubeで表現する「自分らしさ」
インタビュアーに五十嵐リンダ渉さんを迎え、様々なゲストと「自分らしく生きる」ための考え方や、LGBTsについての想いをインタビューしていく本企画。
さて、今回は、YouTubeで大活躍中、男性でも女性でもないオネエならではの視点で楽しい動画を配信!元祖新宿2丁目系ゲイYouTuber、2すとりーとのたつや&ゆうきさんへインタビュー。
▼インタビュアー/五十嵐リンダ渉
渋谷のランドマークタワー「SHIBUYA109」のクリエイティブ・ディレクターをはじめ、多くの”カワイイ”をプロデュースし続けるアートディレクター。オリジナリティ溢れる彼だからこそ、常識にとらわれず、常にボーダレスな活動で多方面から支持を受けている。
■公式サイト https://watarulindaigarashi.tokyo/
■Instagram@watarulindaigarashi
ご自身もLGBTsの当事者として「自分らしく生きるプロジェクト」にご賛同頂き、本企画が実現いたしました。
YouTubeを始めてからの変化
五十嵐:自分らしく生きるプロジェクト。今回は「2すとりーと」のたつやくんとゆうきさんにお越しいただきました。
たつや・ゆうき:よろしくお願いします。2すとりーとです。どうぞご覧ください。
たつや:やっちゃうよー。
ゆうき:自分らしさです。
五十嵐:そろそろ地上波行きたいですね。
たつや:私は稲穂のように今がピークだと思いながら。
五十嵐:たまたま私とたつやさん、二丁目でお会いして、ゆうきさんもいらっしゃって。ごめんね。
ゆうき:全然。幸が薄いんで、私。
五十嵐:たまたまお会いして。そこから「セカストと友達なんだ」みたいな感じで。
たつや・ゆうき:嬉しい。
五十嵐:勝手に言いまくってウザい人になってます?
ゆうき:全然、全然。
たつや:ウザい人はウザいですけど、わたるくんだったら大丈夫ですよ。嬉しいですよねえ?
ゆうき:嬉しい、嬉しい。
たつや:そこら辺は人の区別と差別をしますから(笑)
五十嵐:YouTubeを始める前と後で、自分らしさが変わったことって何かあります?
ゆうき:結局、あんまり作ってないです。それこそ。たまに友達とかから「変わったね」とか言われるんです。「YouTubeやり始めてから変わったね」みたいな。僕の中では別に変わってると思ってなくて。言いたいこと言うし。嫌いな人は嫌いって言うし。基本、素のままでいます。
たつや:作ってるのが、自分らしさかなと思ってます。家では、別にこんなんじゃないし、男といる前でも男として見られるように作りますし、YouTubeとかこういう媒体に出るのであれば、ネガティブよりもポジティブの方が面白いから、そういうふうにみんなに見せるし。でも、みんなそうなんじゃないですかね?
五十嵐:でもそうだよね。
自分がLGBTのゲイだよって言うのって、抵抗あったりした時とかありました?
たつや:二丁目で働き始めてから、二丁目ってやっぱりゲイとかLGBT、セクシャルマイノリティって方がたくさんいらっしゃるから、その中で働いて、そういう人たちと一緒にいると、もう逆に自分がゲイなのが当たり前っていうか。別に恥ずかしくも悩むことも何もなくって。そのままYouTubeに来ちゃったから、自分がゲイであることを恥ずかしいと思いながらYouTubeもやってないし。「オネエYouTuber」って書いてることも、別に恥ずかしいとも全く思わないですね。
人に認めてもらうことで自分の自信に繋がる
五十嵐:仕事してる間に「何でこんな区分けされなきゃいけないんだろう」とか、すごいいろんな葛藤があったんです、私。そういうことってあったりしました?
たつや:逆に僕はそれが武器になってるなと思いますけどね。
五十嵐:さすがですね。
ゆうき:あんまり考えたこと無いかも。そこは。
たつや:ゲイバーで一番最初働き始めた時にそれをすごく思って。やっぱり僕が働いてたのが観光バーだったから、ストレート、ノンケの方とか、女性の方も男性の方もやっぱり来るから、二丁目に来るっていうことは、ゲイバーに来てオカマを見に来てるわけ。てなった時に、一番最初入りたての時は、自分こんな感じじゃなくて「うっす」って感じだったんだけど。先輩方がやっぱりオネエの強気の方がいらっしゃったので。この人たちがすごい輝いてて楽しそうだし、これで人を笑わせて、自分も笑って、そういう世界に自分も真似して、これもこの人たちは武器にしてるから、自分も「この武器もらっちゃおう」みたいな。今これでも普通のYouTubeやるよりも、自分たちオネエがやるYouTubeだと、もうそこで結構差ができるといいますか。もうこれだけで武器になってるな、とは思いますね。
五十嵐:なるほど。
ゆうき:あるかも。
僕、学生の頃からそうでしたよ。なんかオカマいじりありましたけど、それで笑うんだったら「もうネタでいこう」みたいな。ネタでいっちゃえば、こっちも過ごしやすいし、向こうも煙たがらないじゃないですか。それこそKABAちゃんとかはやってたんで「KABAちゃんじゃん」とか言われて「KABAちゃんだよ。なんか悪いのかよ」みたいな感じで言ってました。それが武器だなって思って。それで笑ってくれるんだったら、別にそれでいいしと思っちゃってましたね。
たつや:結局、人に認めてもらうことで自分の自信だったりとか、なるのよね。
五十嵐:私たちの世代、僕は特にそうだったけど、学生時代にそれを武器に変えようなんてとても思える環境ではなかった。
たつや:僕はそれをビジネスにしちゃったから。
五十嵐:すごくないですか?いいと思う。
たつや:ただただオネエやってるだけが、ビジネスに変わるんだ、みたいな。すごいヤラシイ話。
YouTubeを始めたきっかけ
五十嵐:今の仕事をはじめるきっかけになったことを、みなさんにお伝えしていただきたいんですけど。
たつや:YouTubeってことですよね。
ゆうき:単純にやってみたいって思ったんですけど、僕人見知りなんで。街に出てインタビューしたりとかの動画もあったりだとか、第三者と絡む動画もあるから、そういうの僕がやってできないと思って、ひとりでは嫌だって言って、じゃあふたりでやろうみたいな、ペアでやりましょうみたいになって、探してて最後行き着いてたつやだった。
たつや:その前に何人かいたらしいです。
五十嵐:みんな落選?
ゆうき:落選。落選しちゃってて。
ここ元々知ってはいて。でもそんなくそ仲いいわけでもないよね?
たつや:そうだね。
ゆうき:会ったら喋るし、普通に乾杯して飲むこともあったりとかする感じはありましたけど。
たつや:YouTubeやる直前ぐらいまでは、一緒にごはん食べたりとかはしてたよ。
ゆうき:そうね。そうそうそう。
「YouTubeやる直前は一緒にごはん食べてましたよ」だから、やったあとは食べてないみたいになるから。
たつや:たまーに行きますよ。
普通の仕事ではないし、面白そうだなと思って、一言返事で「わかった、やる」って言って。でもその時に思ったのが、別にそんなに伸びることはないだろう。自分の中で思い出づくりといいますか、いう感じの感覚でやってたんですけど。本当にありがたいことに、1カ月で1万人とかいかせていただいて、やめられなくなってしまった。
五十嵐:やめられなくなってしまった(笑)
ゆうき:これは毎度言ってますよね。
たつや:あれ?なんかファンがついてきたぞ。ってなってくると、こっちももう頑張ろうってなって。最初のYouTubeに対してというのは、後付なんですけどね、結局は。
ゆうき:いつの間にかね、続けないといけなくなって。
たつや:そうそう。いけなくなって。今ではもう、みんなのために頑張るぞ!みたいな。
みんなのために頑張るぞっていうか、結局自分のために頑張ってるんですけどね。
五十嵐:若い子たちの本当に勇気になっている気がしてて。
ゆうき:そうだと嬉しいですよね。
たつや:結局なんか、自分たちは自分たちのためにやってるものが、結果的に誰かのためになってるんだったら、それはもうOKじゃない?みたいな。
逆に困ったこととかは、変に男遊びできなくなったぐらい。
ゆうき・五十嵐:(笑)
五十嵐:分かる。私もこんな身分だけどできないの。
(たつやが)ボケ、(ゆうきが)ツッコミなのかな?
たつや:なんでなんで(笑)
漫才してないからね!
五十嵐:仲悪いの?
ゆうき:仲はねー、どうですか?悪くはないんですけど。真逆なんですよ、性格が。だから、ぶつかることは多いです。でも仲悪くはないですね。
五十嵐:喧嘩はダメだよ。
たつや:でもね、私思うんですよ。お互いに気を使いはじめちゃってる。長い期間やってるから。お互いに気を使っちゃってるから「たまにベロンベロンでぶつかった方がいいんじゃない?」ってマネージャーに言われました。
ゆうき:やだやだやだ。だって怖いもん。
ブワー!ってくるから、私喋れなくなると思う。怖いからやだやだ。なんでそういうこと言うの。絶対嫌!
自分たちは自分たちのためにやってるもの。結果的に誰かのためになってるんだったらOK
五十嵐:例えば、2すとりーとだったりだとか、たつやくんゆうきくん、今後本当に世界が変わっていくじゃない。どういうふうに自分自身生きたいと思いますか?
たつや:別にこのままでいいんだけど。
ゆうき・五十嵐:(笑)
五十嵐:すごい今真面目な感じだったんだけどね。
たつや:そもそもYouTubeはじめたきっかけも、さっきゆうきが何回も言ったように、LGBTQを広めようとか、セクシャルマイノリティに理解をもってもらおうとか、そういうものではじめてないから、それをあまり考えたこともない。
ゆうき:結果それで広まれば、くらいだよね。
たつや:結局なんか、楽しい自分たちとか、こういうのがいるよ、くらいで。
ゆうき:逆に僕ら嫌だったんですよ。「LGBTとは」ってやってると、まるで本当に普通じゃない人ですって言ってるみたいだったから。だったらもう普通の感じでゲイがただ普通になってるんだよって感じのほうがよくない?みたいな。
五十嵐:素晴らしいです。
たつや:多様化になることは別に悪いことではないと思うし。多様化になっていって、もちろんいいことも出てくれば悪いことも必ず出てくるから、それは一生ずっとそうなんじゃないですか。いろんなことでも。
誰かのためになるんだったら全然、僕たちはこんな感じでよければ。誰かの力にはなりたいとは思ってます。
五十嵐:めっちゃ勇気になると思う、若い子たちだったりとか。
たつや・ゆうき:なってますか?
ありのままの自分を出していく、それが一番いいのかな
五十嵐:これからカミングアウトする人だったりだとか、カミングアウトしない人もいるじゃないですか。で、する必要があるのかないのかっていったら、自分次第だと思うし、あえてする必要もないと思うんですけど。
たつや:別にカミングアウトしたければすればいいし、したくないんだったら別にしなければいいし。カミングアウトしたことが別に正解でもないし。カミングアウトしたからといって、誰かに認めてもらったとかっていうわけでもなければ、強い弱いとかでもないから。それこそ、自分の判断だと思うんですけど。
もしできる環境であって、できるタイミングがあって、そういう環境であれば、できたらもっと広がるのかもしれない。
でも例えば、それで「キモ」とか、なんかいろいろあると思うんだったら、別に「バイバーイ」って感じだし。かな。
五十嵐:なるほどね。ゆうきさんは?
ゆうき:僕も自ら「実は僕こうなんです」って言うと、まるで悪いことしてるみたいだから。聞かれればそうですって言えばいいんじゃないかな、っていうくらいにしか思ってなくて。自ら「ちょっと話があって。実は・・・」みたいなのやってると、なんか重たいし。
だから、ありのままの自分を出しておいて、あんまり出せない場合もありますけど、やっぱりいろんなあれがあって。で、「もしかしてそっちなの?」みたいな感じだったら「ああ、そうだよ」って言えれば一番いいのかなと思いますけどね。
たつや:これが言い方があってるか分からないし、もしかして間違ってるかもしれないけど。カミングアウトって自己中だと思ってるんですよね。
五十嵐:確かに。
たつや:結局誰かに認めてもらいたいっていう自分のエゴでもあるし、自分がもっとこういうふうになりたいっていうただのエゴではあるから。自己中を人に押し付けもしたくないから。難しいよね。
五十嵐:難しいよね。でもなんかさ、ノーマルなストレートな人たちに中学の時とか恋とかしてしまって、どうしても気持ち伝えたいとか思っちゃって。それこそが本当のカミングアウトなんじゃないかな。好きな人に対してね。
たつや:いやでも、それはそれで自分楽しんじゃってたからなあ(笑)
五十嵐:分かる。楽しんじゃった。
楽しんじゃうし、ちょっと成功しちゃったりしなかった?
たつや:そうそう(笑)
なおさらキュンキュン増すんだよねー。
五十嵐:分かる分かる。
たつや:なんか、背徳感?そういうのも楽しんじゃってる自分がいます。
地道に、需要があるうちに何かを届けたい。
五十嵐:これからの活動と、例えば本当におふたりが今後自分単体としても活動していくと思うんですけど、もしよかったら目標とか。
たつや:見てくれてるうちが華だと思うし、なんかこの仕事、YouTube自体とか業界というか、誰かに見られてないと需要もないし。だからもう、私と一緒で需要があるうちに何かを届けないと。楽しめたらなと思うくらいかな。
ゆうき:あとはもう、YouTubeというよりも自分のことでいっぱいなんで。
たつや:自分たちとかって、ドカン!っていかなくって。もちろん目指すは100万人とかなんですけど、地道に本当にちりつもでやってるから。いつかは100万人いきたいなと思いますし。
五十嵐:すぐいけますよ。
ゆうき:いやいや。
五十嵐:本来のYouTubeチャンネルとは違う姿が見れてよかったなあと。
たつや:違うの、ほら。聞くことはあっても、聞かれることがないから、そんなに。
ゆうき:めちゃくちゃ緊張する。
五十嵐:本日のゲストは、2すとりーとさんでした。
たつや・ゆうき:ありがとうございました!
五十嵐:はい、ありがとう!
PROFILE
▼2すとりーと
■YouTube:2すとりーと
※この記事は、「自分らしく生きるプロジェクト」の一環によって制作されました。「自分らしく生きるプロジェクト」は、テレビでの番組放送やYouTubeでのライブ配信、インタビュー記事などを通じてLGBTへの理解を深め、すべての人が当たり前に自然体で生きていけるような社会創生に向けた活動を行っております。
http://jibun-rashiku.jp