STUDENT COLUMN
高校生LGBTsコラム 【先生がカミングアウトを止める?対応の仕方をわかっていない!】
僕はFTM(注1)のパンセクシュアル(注2)の湊人です、通信制の高校に通っています。
学校では先生だけにカミングアウトしていて約60人いる生徒には男子生徒として扱われています。
自分らしく学校生活を送れる環境なのでとても過ごしやすいです。
学校全体にカミングアウトをしないのは、カミングアウトすることで「特別扱い」をされてしまうのではないかという先生からの心配で、学校ではカミングアウトをしていません。
(注1) 性別と心が一致しないトランスジェンダーと呼ばれるセクシュアルマイノリティ。
FTMとは体は女性で心は男性のこと。
(注2) パンセクシュアル:性別にこだわらずどんな人でも愛せる人。「性別という枠を超えて愛せる人」
元々は、私立の共学高校に通っていました、少人数のこじんまりとした学校で、入学当初はスカートを穿いて女子生徒として高校生活を送っていました、ですが、学校生活が制服であることや、女子生徒として扱われることに苦痛を感じ、学校を休みがちになってしまいました。そんな時、養護教諭の先生にもしかして性別のことで悩んでる?と聞かれ、自分のことを担任の先生や学年の先生などに打ち明けました。
女子用のスラックスがある学校でしたが、男子のスラックスを穿くことは出来ないかとお願いして、許可ももらいました。
クラスメイトには、「カミングアウトをしたら混乱してしまうかもしれない」と先生方から言われ、何度も話し合いをしていました。しかし時間が経過しても解決には至らず・・・
そんな中で友達との恋愛話などの女子トークはさらに苦痛と感じ、ストレスで学校に行くことが困難になってしまいました、そこで今の学校に転校をしました。
今では前の学校の友達にもカミングアウトをして受け入れて貰っています。
転校して気づいたこと。それは人に頼るのではなく自分は自分であることを示す
先生たちに相談しなくても、堂々と自分はこういう人間だ!ということを伝えていれば、今もあの学校で高校生活が送れていたのではないかと思います。
ですが、転校をしたことで得たことが沢山あります。
普通科の高校では無いので通学日数が少なく、様々なことをする時間が増えました。
その中で当事者の方に会ってお話をしたり、ジェンダークリニックに行ったりセクシュアルマイノリティの支援団体に行ったり、また自分で当事者の方が交流できる会を企画するなどして、色々な経験をすることが出来ました。
また、新しい学校は先生たちもとてもよく理解してくれて、通称名を使ってくれたり、何も変わらず他の生徒と同じ対応をしてくれてとても感謝しています。
僕の考えではカミングアウトは、してもしなくても自分のタイミングですることがいいと思います。僕の経験上カミングアウトをしなかったことで余計に辛くなってしまい学校に行けなくなってしまったことがあるので、自分のタイミングや、ペースで伝えていくことが良いと思います。
学校に求めたい、自分らしく過ごす学校生活
僕が学校に求めることは、制服は、自分の好きなスタイルを着れるようにする、なんでも性別で区別をしないことを求めています。
制服が自分の着たいものになることで、気持ちが楽になる生徒が沢山いると思います。
実際僕も、女子用のスラックスから男子用のスラックスに変えた時周りからは何も気づかれないけど気持ちの面ではとても嬉しかったです。
また、例えば男子は重たいものを運んで、女子は掃除をしてくださいといった性別で役割を分けることをやめる。そういったことでも当事者の苦痛は減り、当事者じゃない生徒も男はこうしなくては行けない、女はこうしなきゃいけないという考えが無くなっていくのではないかと僕は思います。
FTM /パンセクシュアル 湊人(高校生)