STUDENT COLUMN

高校生LGBTsコラム 【カミングアウト後の反響…】

こんにちは。
高校二年生で、関東の私立校に通っています。名前はKです。
セクシュアリティは女でパンセクシュアル(注)です。
中学三年生の頃、Twitterでセクマイ(*セクシュアルマイノリティの略)のアカウントを作り、たくさんの人と関わり小規模ではありますが、今もTwitter活動を続けています。今回は私の学校や日常生活での事をお話しできたらなと思います。

(注)男性・女性といった性にとらわれずに全ての性の方を性的指向の対象としているセクシュアリティのこと

私には15年来の幼馴染がいて、自分がパンセクシュアルだと気づいた時に初めてカミングアウトをしたのが彼でした。彼とはとても仲が良く、偏見がないという事を知っていたのもあり、すごく言いやすかったのを覚えています。彼は快く受け入れてくれて今も仲の良い幼馴染であり、親友です。

人生で二度目のカミングアウトは高校一年生の春でした。高校での新学期が始まり、新しい友達に囲まれている中で、気になる子(Aちゃんとします)ができました。女の子でした。中学生の時の好きな子も女の子でしたが、幻滅されるのが怖くてカミングアウトも告白もせずに終わりました。ですが出会いたての頃にカミングアウトをする事で、「この人はこういう人」という形で認知されるのではと考えました。中学の時のように自分に恋人ができた時に周りに公にできないのは辛いし、隠し事をしているような思いを抱えながら過ごすのは嫌だと思い、周りの人たちにカミングアウトをすることを決意しました。

駆け出しからみんなにカミングアウトするのは少し怖かったので、Aちゃんに「同性を好きになるってどう思う?」と聞きました。
「好きになったのがたまたま同性だっただけ。素敵だと思うよ。」そうAちゃんは言ってくれました。
Aちゃんはストレート(異性愛者)でしたが、偏見がないことは確かだと思い、少しでも意識してもらえるようにと猛アピールした末に、思い切ってAちゃんが好きだということを伝えました。信じられないことですが、Aちゃんと私は両思いだったのです。Aちゃんと私は付き合うことになりました。
(今はもう別れています)

興味本位で聞かれ、ついにカミングアウト。反響は賛否両論

そこで問題になったのが、周りに公表するかしないかでした。最初は聞かれたら話すようにしていたのですが、だんだんと噂が広がって行き学校の誰しもが知るカップルに。
Instagramに連携させていた質問箱には「本当に付き合ってるの?」「女なのに女が好きなの?」こんなような質問がたくさん来ました。ずっと聞かれ続けるなら答えようとAちゃんと話し合って決め、「自分は男女共に好きになれるパンセクシュアルで、Aちゃんと付き合っています。」という内容のものをInstagramのストーリーで投稿しました。高校で知り合った子のほとんどは「応援してる」「お幸せに」など言ってくれましたが、当時はパンセクシュアルの理解度も低く、『男女共に好きになれる』ことに反応が大きく同じ中学だった人に「ショック」「キモい」などと言われることもありました。そんな声も数ヶ月で収まり、別れた今でもパンセクシュアルということを公にしています。

「嬉しいこと」と「不満なこと」

周りにカミングアウトをしてから、好きな人ができたことを話すと、性別を聞かれるようになりました。性別を聞かれると言っても、男女の二択ではありますが、男が好きなのが当たり前だった時と比べれば、とても嬉しいことです。また、私がカミングアウトでパンセクシュアルという事実を知り、今まで自分がLGBTsの当事者だということを誰にも言えずにいた友だちが、勇気を出して私に打ち明けてくれたことです。自分がカミングアウトしたことで誰かの背中を押せたと思うと、あの時頑張って良かったなぁと思います。

その反面、不満なことというと、学校やバイト先の制服が男女で大きく違っていたりすることです。同じ場所に属しているのに、服装が違う意味とは何なのでしょうか。私の高校はまだですが、女子用スラックスを導入しているところもあります。女子用スラックスがあるなら男子用スカートがないのも不思議です。

最後に伝えたいこと

当事者である人もそうでない人も、この先沢山の人に出会い、関わると思います。
相手の性的指向、性自認はその人本人にしかわからないことで、カミングアウトをしている人だけが生きやすい世の中であっていい訳がないと思っています。日常会話の中でも些細な言葉がLGBTsの当事者を一喜一憂させていることが多々あります。会話の中で、偏見や差別をする様な人だと思ってしまえば、カミングアウトをする気にはならないと思います。逆に偏見がない人と思えば、カミングアウトする人が1人でも多くなり、カミングアウトをしないとしても“居やすい”と感じると思います。当事者であっても理解し切るのが難しいことを、当事者でない人に理解しろというのは無理な話だと思います。たとえ理解ができなくてもそういう人が身近にいるということを覚えて欲しいです。
1人でも多くの人が行動に移す事で、LGBTsの当事者が生きやすく、性別を超えた愛が当たり前の様に認められている社会により近くことができると考えています。

関東の私立校(二年生)パンセクシュアル

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