STUDENT COLUMN
高校生LGBTsコラム 【自分は女か?さもなくば男か?孤独を埋めるために女になっていた・・・】
はじめまして、とととと(とし) という高校3年生の者です。今回はLGBTs当事者の1人として困った事、嬉しかった事、物申したいことを書いていこうと思います。
その前に自己紹介を!
自分がこう思うようになった訳(FtX)
昔から性別に興味がなくて「男はドウダ…」「女はコウダ…」とか聞くたびに、(なんでそんな事気にするんだろう?)と不思議に思ってました。しかし、中学生の時は女でした。中学時代吹奏楽部でチューバだった自分のパートには男子しかおらず、女子はパートで固まり、数の少ない男子は男子で固まり、自分は孤独でした(なのでユーフォニアムの所に居候してました)。当時、女子の後輩が非常に欲しかったです(叶いませんでしたが)。今思い返してみると孤独を埋めるために女に、なっていたのでしょうか。高校に入ってから、性別を気にせず人と関わる事が増え、自身の性別を気にする事が無くなったのに加え、根底にあった違和感が膨れて、(お前は女か?さもなくば男か?)という問いに悩む事も増えました。そんな時webでXジェンダーを知り、(男でも女でもなんでもなくていい、自分は自分で居ていいんだ!)と気付いて今に至ります。
困った事
・周りに上手く話せない + 理解が促せない(主にFtX)
自分が母にカミングアウト(公にしていない自分の様子を誰かに示す事)する少し前まで、正直に言うとカミングアウトなんて仰々しいとまで思っていました。皆自分みたいに他人の生き方は特に気にせず、その人の自由に(他人を傷つけない限り)生きていいと思っていると思い込んでいました。
初めて打ち明けた時には…
それからも、母は何事もなかったように自分を女の子扱いします。
途切れ途切れながらも仲の良い部長に言ってみた時は「そういう生き方もありだろうね。」と言ってくれたのですが、学校の文集の部活(文化部)のページに“なんちゃらガール”と書かれてしまったり…。自分としては、性別ではなく、個人として見てもらいたいのですが…。
生理が辛い(FtX)
自分にとって、体の性別が女である事はあまり苦ではないです。体については確率で決められた話だと捉えているので、体育の授業が体の性別で別れていたり、女子トイレを使うのも一応大丈夫です。ですが、生理(自分は体のメンテナンスだと思うようにしている)が来るとそれは一変します。自分は生理痛が結構酷く、どうしても根性や意地でも動けなくなる事があります。そういう時友達が「大丈夫?」と聞いてくれて、自分は絶対に気づかせたくないので「なんとなく動きたくない」と答えたのですが、友達が「生理でしょ。大丈夫だって!女の子しかいないんだし!」。友達は善意のみで言ってくれた(はず)のですが(その友達に、話していなかった(カミングアウトしていなかった)のでそこが問題)、やはり口にだされてしまうとなんとも言えない気持ちになります。世間では、生理がある = 女性 として扱われてしまうので、体の痛み + メンタル的な苦痛が毎回来るのです。
Web上で性別を聞かれて(FtX)
上の様な話は結構あります。それで登録を辞めたサイトもちらほら…。自分は毎回、何の性別が合うか考えて入れています。なので医療など体の性別が必要な時以外は、(紙の場合)何も書かずにいます(あわよくば性別欄にバツをつけようとする)。がwebの場合(しかも男女のみで必須なもの)そうもいかず、模試のweb申し込みなどの必要な物の場合(はーいコイツ虚偽の申告してまーすウソついてまーす(出来る限りのウザい声))と脳みそで言いながら半泣きで女にチェックを入れてます。身体の性別はあまり結果に関わってこないだろうし、選ばせておいて2択しかないのはやめてほしいです。
恋バナがどうでもいい(Aセク)
自分は恋愛感情がなく、今までの人生にあまり問題はなかったのですが、中学の部活の交流会でくじで当たった人が恋バナをしなくてはならず、自分は理想の告白のシチュエーションを言うことになりとても困った事があります。一緒に居た友達は「フィクションでも何でもいいと思うよ!」と言ってくれたのですが、「キュン」を感じない自分はどうしていいのか分からず、終わるまで黙っていました。
嬉しかった事
・高校のクラスの人々の対応
学校のクラス対抗の競技会で景品としてアイスをクラスの人数分貰ったのですが、レディーファーストということで女子が先に取りに行く事になり、行きづらいなーと思っているとクラスの人が「あれ?ととととは行かないの?」と聞いてきました。自分が行きづらく思っていると話すと「それなら女子が行った後に行けばいいよ!」とのこと。この対応がとてもありがたかったです。些細な事だったのですが、自分も納得できて、かつ社会も上手く回る名案だったと思います。
終わりに
今まで自分の話をしてきたのですが、これも沢山ある中のほんの一例です。人によって同じ物事でも平気な人もいれば耐えられない人もいます。自分は「性別や好きになる事、あるいは持ち合わせている物に関係なく、全ての人が心地よく過ごせる社会」になればいいなと思っています。その為にも考え方が自分とは異なっていても跳ね除けず、尊重することを大事にしていきたいです。もしこの考えが広まれば世界は今よりも少し生きやすくなると思います。
とととと(とし) 高校3年生(FtX、アセクシュアル)