interview

ダイバーシティ・グローバル時代の多様な生き方 Maaayaさんの『自分らしく生きる』

インタビュアーに五十嵐リンダ渉さんを迎え、様々なゲストと「自分らしく生きる」ための考え方や、LGBTsについての想いをインタビューしていく本企画。

第一弾の今回は、タレント・モデルとして、フジテレビ「テラスハウス OPENING NEW DOORS」にも出演され大人気のMaaayaさんをゲストに、Maaayaさんにとっての「自分らしく生きる」とはなにかを聞いてみたいと思います。

▼インタビュアー/五十嵐リンダ渉 

渋谷のランドマークタワー「SHIBUYA109」のクリエイティブ・ディレクターをはじめ、多くの”カワイイ”をプロデュースし続けるアートディレクター。オリジナリティ溢れる彼だからこそ、常識にとらわれず、常にボーダレスな活動で多方面から支持を受けている。

■公式サイト https://watarulindaigarashi.tokyo/
■Instagram@watarulindaigarashi

ご自身もLGBTsの当事者として「自分らしく生きるプロジェクト」にご賛同頂き、本企画が実現いたしました。

Maaayaさんにとって「自分らしく」とは?

Maaaya:周りの意見よりも自分の意思を尊重することや、自分の芯を大切にしています。

今日の洋服選びみたいな小さなことから、これからの人生の決断みたいな大きなことまで、自分の意見が一番大切だと思ってて。

人に流されてやったことだと、失敗した結果になっちゃった時とかに自分に言い訳できちゃうじゃないですか。

でも、自分の意見でやったものなら言い訳はできないし、失敗しても反省して次に向かうことが出来るんですよ。

だから自分の意見は大切だなって思ってて、人には惑わされずに自分の芯を大事にできていると自分でも思っています。それが自分らしさかなって。

人に相談するのは大好きなので、人の意見を全く聞かないってわけじゃないんです。

けど、たくさんの意見を聞いたうえで自分で決断したことが大切だなって思ってます。

何歳ぐらいから現在の生き方を始めましたか?

Maaaya:高校を卒業した後、10カ月カナダに留学していたんです。そのころかな。

それまでは、高校も友達が行くからっていう理由で選んだり、スリランカの血が入ってることで肌が黒いのが嫌で、皆と同じようになれるよう、ファンデーションをめっちゃ真っ白に塗ったりしてました。

今考えると、首と顔で全然色が違うせいでめちゃくちゃ変だったのに(笑)

でも、色が黒いことを言われるのをすごい気にしてたんです。

五十嵐:僕も、黒人のクオーターなんですけど、同じように美白の化粧品とか使ってた(笑)

カナダに留学してよかったこととかありますか?

Maaaya:たくさんありますね!

留学を勧めてくれたのはスリランカ人のお父さんなんですけど、お父さんが習い事に関しても色々経験させてくれる人で。

カナダに留学に行ったときに、目や、髪や、文化が違う人がいて。

そういう人たちと出会ったことで、

『私、視野が狭くてなにも知らなかったんだな。狭い世界にいただけだったんだな。』って思ったんです。

いろんな国の人と出会ったことで、多様性を肌で感じて、小さな悩みだなって思って。

もうそこからファンデーションも使わずに、自分のままでいるようになりました。

ハーフで辛かったことってありますか?

五十嵐:僕自身もクオーターで肌が黒いので、いじめられたりしてました。Maaayaの世代と僕の世代は全然違うけど、日本って人とちょっと違うだけで、そういうことがあるような気がする。

Maaaya:ありました。肌の色を言われたり、パパについて言われたり。 私のお兄ちゃんが障がいの人なんですけど、自分の家族へんてこだなってちっちゃいころから思ってて。

ママに泣きながら 「なんでこんなブサイクに産んだの」って言ったこともあります。

けど当時クラスの男子達は、ハーフのことを小中学生のころまではバカにするんですけど、インターネットが普及して海外のいろんな「かわいい人」を見始めるようになってから「めっちゃ外国人かわいい」って言い出すんですよね。

結局その人達が今付き合ってるのってハーフだし。

『なんで?前までハーフのことバカにしてたのに』みたいな。

それで、結局『みんな視野を広くして知れば言うことは変わるんだな』って思ったんです。

五十嵐:わかります。僕も結構いじめられて生きてきて、今でも時々自信がなくなる原因というか、この人にこういわれてるんだろうなって、トラウマで勝手に妄想しちゃうときがあるんです。

でも、中学2、3年生のときから洋楽ブームになって、今はヒップホップがめちゃめちゃ流行って。

それで『黒人ってカッコいいじゃん』みたいな感じになって。

そこからモテ始めたりとかして、そういうところがMaaayaの話と似てるのかもしれないね。

Maaayaさんのルーツとは?どうやって辛いことを乗り越えてきましたか?

Maaaya:乗り越えられたのは、いろんな人がいるってことを知る経験があったおかげかもしれないです。

留学とか、お父さんの友達を見ていたりとか、お兄ちゃんの友達を見ていたりとか。

小さい頃から親がいろんな人を見る経験をさせてくれたので、

『あ、世界にはいろんな人がいるんだな』

って知って変わることが出来ました。

周りも、大人になるにつれていろんな人と出会ったり、インターネットで知ったりするようになって、いろんなことを知る機会が増えたから嫌なことを言われなくなったんだと思います。

高校生ぐらいからはモテました。

五十嵐:Maaayaちゃん、可愛いから。

Maaaya:いや、絶対違うと思う。みんな、いろんな人がいるってことを知らなかっただけなんだなって。田舎の人と、ずっと東京にいる人だったり、海外経験の有無で話の内容とか違ったりしません?

五十嵐:わかります。そういう経験を通して、今自分らしく生きることに対してすごく大事にしてることってある?

Maaaya:第一印象とか、見た目では人をジャッジしないようにしてますね。

モデルや芸能を始めるきっかけとなったこと

Maaaya:海外留学から帰ってきて、ずっとZARAでバイトしてたんですよ。そのときお母さんが、専門学校か大学卒業した方がいいんじゃないって言ってたんですが、やりたいことがなくて。

そしたらお母さんに、『まや、服好きなら、服で一番有名な学校行けば?』って言われて、じゃあ行くって、そのノリで入学して。

渋谷でバイトを探してたんですよ。

それで、バイト先見つけたところで、スカウトされたのがきっかけです。19歳の時でしたね。そこからその人に芸能界を教えてもらったり。初めはカメラとか大嫌いで、カメラマンさんに撮らないでくださいって言ってましたね(笑)

でもいろんな人に撮ってもらって経験重ねて、途中から『モデルさんのお仕事の主役はお洋服で、お洋服をどう綺麗に見せるのか』っていうのを考えながら撮るのがすごく楽しくなってきて。モデルの仕事続けようと思いました。

五十嵐:大変だったこととか、モデルを通して勇気に変わったことと、そういう経験であったことってある?

Maaaya:『Maaayaちゃんを見て自分の肌が黒いことに自信を持てるようになりました!』とか、『スリランカのハーフでいじめられててすごい嫌だったのに、Maaayaちゃんをみて元気になりました!』とかって言葉を、SNSやイベントを通してそういう自分と同じ悩みを持っている子に出会えたことでたくさん頂いて。それがすごい勇気になりました。嬉しかったです。

苦しかったことは、お兄ちゃんやスリランカの黒い肌の人に対するアンチがあったことですね。自分へのアンチは全然大丈夫だったんですけど。こんな考えの人たちまだいるんだって思いました。

五十嵐:そういうときはどうやってポジティブな自分に戻るの?

Maaaya:友達と遊んで、スポーツジムに行って、寝たらおしまいです(笑)

五十嵐:インスタグラムとかのフォロワーさんも凄く多いですよね

Maaaya:そうですね。1年で14万人になって見られる数も増えたので、それに対していろんな意見が来るのは仕方ないなぁって思うんですけど、お兄ちゃんに対してのことは衝撃的でした。

私はマネージャーさんだったりとか友達とか、親とかと話して全然大丈夫だったんですけど、自分の脳内にはない考えだったので、ほんとにびっくりした。

LGBTs・多種多様な生き方について

Maaaya:仮に私が女の人を好きでも男の人を好きでも、人間がすきなんだってシンプルに言えば良いのに。人間が好きとか、恋愛対象がないとか、恋愛対象が実はモノです、とか。

私が女の子を好きになることもあり得ると思います。海外に行ったときにレズビアンの子たちにめっちゃモテて、めっちゃ美人の人にチューされたんですけど、すごい嬉しかったです。

五十嵐:その海外経験が全てのルーツなんですね。

Maaaya:そうですね。なんかゲイの方が多い通りに行ったときに、周りの男の人たちはすごくモテるのに、私だけ邪魔扱いみたいな。あんたじゃないのよね、ここに来ないでとかってされたりして。

でも、そういうのが普通だったので、向こうではめっちゃイケメンって思った人が隣に彼氏連れてて、『あぁなんだぁ』みたいなのが全然普通なので。自分の中で、海外の経験ってすごい大切なんだなって思います。

五十嵐:セクシュアリティについて、日本って性的嗜好みたいに堅苦しい言い方しかしないのもどんどん変わっていけばいいなぁって僕も思うんだけどね。

Maaaya:変わらなさそう。オリンピックが来たらタトゥーがある外国人選手が温泉に入れないとかかわいそうだし、日本も変わるかなぁって思ったりしたんですけど。

とにかく、私のセクシュアルに関しては「ない」が結論です!

LGBTsについて思うことはある?

Maaaya:伝えたいこと、なんですけど、私LGBTsの友達すごく多いんですね。私は当事者ではないし、同じ悩みを抱えているわけではないのであまり偉そうなことは言えないんですけど、彼らや彼女たちってすごい自分たちで悩んでるので、すごい自分を責めるんですよ。

だけど絶対、自分が悪いわけではないので、自分を責めないでほしいなって話を聞くたびに思うんです。

五十嵐:わかる。僕も黒人のクオーターとゲイっていうので二重で苦しんでいたときに、自分のことを責めてた。中学生ぐらいの時かな。だからそういう人たちは多いかもしれないね。

Maaaya:絶対多いです。自分がゲイだから、自分がレズだから、みたいなことめっちゃ言いますけど、いやいや周りの人が知らないだけだし、自分をそんな責める必要なくない?ってすごく思います。

これからの活動と、目標を教えてください

Maaaya:私、ヴィクシーとかの海外のモデルさんが好きで。彼女たちをインスタや雑誌なんかで見てて、ただ美しいんじゃなくて伝えたいものがそれぞれハッキリしてるのがすごい良いなと思ってて。

だから、私も自分に発信できるものはもっと伝えていきたいなと思っています。

PROFILE

▼Maaaya
■公式サイト https://www.kisanuki-maya.com/
■Instagram@maaayaofficial/
■Twitter@maaayaofficial

▼取材・インタビュー/五十嵐リンダ渉 
■公式サイト https://watarulindaigarashi.tokyo/
■Instagram@watarulindaigarashi

▼カメラマン/松林寛太
■公式サイト http://kantamatsubayashi.com
■Instagram@kanta_matsubayashi

ヘアメイク/mariko

※この記事は、「自分らしく生きるプロジェクト」の一環によって制作されました。「自分らしく生きるプロジェクト」は、テレビでの番組放送やYouTubeでのライブ配信、インタビュー記事などを通じてLGBTへの理解を深め、すべての人が当たり前に自然体で生きていけるような社会創生に向けた活動を行っております。
http://jibun-rashiku.jp

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