STUDENT COLUMN

大学生LGBTsコラム【 正しい教育で正しい知識を。】

こんにちは。学生コラムの連載しています、大学三年生、FTMの渚 真帆人です。
大学では法律を学んでいます。趣味は筋トレと料理です。特に好きなのはお菓子を作ることです。

今回は、LGBTs教育について僕が思っていることを書こうと思います。

近年ではLGBTのことを取り上げる番組などが増え、LGBTsという言葉が目に触れるようになってきました。

しかしその一方で、LGBTsに対する偏見や間違った認識からくる差別的発言も目立つようになっています。

僕は、LGBTsについての正しい知識が人々の中にないことが原因の一つでもあるのではないか思っています。

正しい教育で正しい知識を。

僕は、小学校から高校までで、LGBTsに関する授業をほとんど受けてきませんでした。道徳の授業などでも、扱われるのは同和問題や障害を持つ人、外国人などばかりでした。

実際、高校生になるまで僕は「FTM」という言葉を知りませんでした。

「女性として生まれたのに、女性であることが嫌で女性らしい格好をすることも嫌で、心がどうしても女性になれない」と考え悩んだ時期もありました。

そして僕のことを女子生徒だと思っていた同級生から「変だよね。」と言われたこともあります。

LGBTs教育をすることの利点

ここでは僕が思う、差別や偏見の予防、当事者の悩みを少しでも減らせるという点から書いていきたいと思います。

まず、予防の観点から小学校など早い段階から教育をすることで心の中に無意識の差別心が生まれることを防ぐことができると思います。

僕も実は昔LGBTsについての知識がなかったころ、まわりの大人や友達などの空気でLGBTsはなんとなく変で良くない存在であると思っていたことがあります。

しかしこれは実際に気持ち悪いと思っていたわけではなく、まわりの雰囲気からいつの間にか心の中の固定観念になっているのではないでしょうか。

LGBTsとはなにか、決して変なものでも恥ずかしいものでもないということを、差別や偏見に触れ、心の中にそれらが染みついてしまう前に正しい知識をつけてもらうことが大切だと思うのです。

また、何気ない友達同士の会話の中や、カミングアウトした時などに不本意に友達を傷つけてしまうことを防ぐこともできると思います。

たとえば、何気なく「彼氏はいるの?」と質問したとしても、相手にとっては好きになる性別を決めつけられているようで嫌な気持ちになったり、自分は何かおかしいのではないかと不安になってしまったりするおそれがあります。

会話の中で差別的発言があったとしてもそれを止めようとする人が出てきてくれるかもしれません。

カミングアウトした場合に過度に驚いたり、その時に相手へのプライバシーに踏み込みすぎた質問の抑制にもつながるのではないかと考えています。

次に、当事者の悩みを軽減できるかもしれないことについて。

前述のように、僕はLGBTsについての知識がなかったことで物心ついた時からの自分の性別に対する違和感が何なのかわからず、どのように振舞えばいいか悩んだ時期がありました。

周囲の大人が勧めてくる女の子コーナーにあるようなおもちゃや、お葬式などでスカートを履かされそうになったのがとても嫌だったこと、「ぼく、」と声をかけられたときに「女の子なんですよ。」と訂正されるのが嫌だったこと。

今思えばすべて僕が自分をトランスジェンダー(FTM)であると考えるのに十分な経験だと思いますが、なぜか無意識のうちに「そういうものは変だ。」と考えてしまいました。

高校では、自分の思うように振舞えば友達ができなかったり、変な奴だと思われてしまうと考え、髪を伸ばしてできるだけ周囲の女子となじめるようにと心がけていました。

SNSでLGBTsのことを知り、自分が何なのかやっとわかったような気がして、さらに

自分は変じゃない。と思えるようになり、髪も短く切り服装もメンズのものを堂々と着れるようになったのが高校2年生のときです。

もし幼稚園や小学校でLGBTsについてきちんと習っていたら良かったと思います。きっともっと早くに自分に気づくことができ、もっと早く友達や家族に話すことができ、不本意な格好や振舞いをすることもなく、悩みも減っただろうなと思います。

そんな発言をしている、または考えを持っている人たちは皆LGBTsと呼ばれる人たちに何か危害を加えられたことがあるのかと考えましたが、きっと大半がそうではありません。

では一体どこからそんな考えになるのでしょうか。

世界の大半が親や親戚である小さな子供はお茶の間での親の言葉などから考え方などを徐々に形成していき、その中に差別的発言があれば、それも正しい事だと思い込んで認識してしまうでしょう。また、その子供がもしも当事者だったなら、親はそんなつもりはなくても無意識のうちに子供を深く傷つけてしまいます。だからこそ、幅広い世代への正しい知識の浸透が大切なのです。

どのような形で教育をするべきか

ここからは、僕が思うLGBTs教育について書いていきます。

・幼稚園や小学校低学年では絵本などを用いて教える。

・道徳の授業で、他の同和問題や外国人問題などと同じくらいのボリュームで盛り込む。

・当事者に直接学校に来てもらい講話の機会を設ける。

など、日々の中でLGBTsについて学ぶ機会を増やすことで、理解が深まるのではないかと思います。

授業の内容としては、LGBTsそれぞれの定義や、当事者の経験談などから日常の会話の中で辛かった経験を事例として挙げて、どの発言が不適切だったか、どうするべきだったかなどを考えるグループワークのようなものをするのもいいと思います。

ここで大切な前提として、一口にLGBTsといえど人それぞれ考え方は違うということがあります。

言われて嫌なことは違うし、こうしてもらえたら嬉しい、などは人によって違うので、「LGBTsとはこういう考えを持った人だ。」と決めつけてしまうことを防ぐことも大事だと考えています。

また、アウティング(カミングアウトを受けた人が本人の意思に反して他人に話してしまうこと)の危険性を十分に教えることも大切です。

僕は友人や親せきに自分のことを隠しているわけではないので傷つくことはありませんでしたが、実際僕の知らないところで話されていたことがありました。

アウティングの危険性を伝えることは、前述の不本意に友達を傷つけてしまうことの予防につながると思います。

僕は、直接当事者と話をすることは差別の心などを消す1番の方法のような気がします。もし当事者が特別講師として授業に来てくれていたら、自分の中の劣等感のようなものとか、何者か分からない不安感が拭えたかもしれません。直接話す機会があれば、きっときっと先生と話をしていたと思います。ただ、周りの目を気にして大勢の前で質問などはしにくいかなと思います。ですから、相談窓口とか設けたらと思います。

僕自身、自分がFTMであると自覚してからLGBTsについて調べたりいろいろな当事者の人と話したりする過程で話すときの言葉選びや相手のセクシュアルなどを尊重することが自然とできるようになってきました。

もしかしたらそれまでに無意識のうちに誰かを傷つけてしまっていたかもしれません。

教育によって正しい知識を身につけることで少しでもつらい思いをする人が少なくなることを願っています。

学生コラムの連載:渚 真帆人 大学三年生(FTM)

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