COLUMN
LGBTをテーマした人権作文の書き方とは?例文や書き出し方について抑えておくべきポイントを紹介。
人権作文を書くことになった時、「LGBT」がテーマとなる場合があります。
近年、セクシュアル・マイノリティへの理解が広まりつつあることから、高校生などがLGBTをテーマに作文を書くことも求められる機会も増えてきているようです。
ここでは、LGBTをテーマにした人権作文の書き方の書き方をお伝えしていきます。ぜひ、参考にしてみてください。
人権作文とは?
LGBTをテーマにした人権作文を書くとき、人権作文とは何かしっかりと理解してから書き出す必要があります。まず、人権作文の基本的な考え方について知っておきましょう。
人権を尊重するための作文
人権作文の目的は、同じ人間を固定観念や偏見などによって軽蔑したり迫害するなど、そういった状況の問題提起をしたり解決をしていく手段などを提案する作文です。
少し難しい課題に感じてしまうかもしれませんが、人権を尊重するために私たちはどんなアクションを起こすべきなのか。こういったことを自分なりにまとめて作文にしたのが人権作文です。
自分の伝えたいことをしっかりと順序立てて構成することにより、人権作文を作りやすくなるので学んでいきましょう。
人権作文の構成の仕方
人権作文を書く時には、しっかりと構成を作っておくことで相手が読みやすくなります。高校生にとって人権というテーマはとても重たいものであり、文章が構成から逸れると支離滅裂となってしまい、読み手を混乱させてしまう場合があります。人権作文を作る時には、この三つの構成で作成してみましょう。
- 問題提起
- 自分の考え
- 解決手段
この3つの構成を意識することにより、自分が何を伝えたいのか読み手に理解してもらうことができます。例文は、LGBTをテーマに後述していきます。
LGBTについて
人権作文の基礎についてお伝えしました。ここからは、LGBTをテーマにした人権作文の書き方について解説していきましょう。
LGBTを知ることから始める
人権作文はもちろん、LGBTをテーマに何かを作る時には“LGBT”について理解をしておく必要があります。人権作文は、“人権を尊重するためにはどうすべきか”ということが目的で作成されるため、理解不足からLGBTの方を傷つける内容では意味がありません。まず、LGBTとは何か、ということから知りましょう。
LGBTとは?
LGBTとは、LGBTとは、セクシュアル・マイノリティの総称をあらわす言葉のひとつです。
- L=レズビアン(女性同性愛者)
- G=ゲイ(男性同性愛者)
- B=バイセクシュアル(両性愛者)
- T=トランスジェンダー(性別越境者)
もちろん、これらだけでセクシュアル・マイノリティ全ての方を包括することはできません。ほかにも、さまざまなセクシュアル・マイノリティの方がいて、それぞれの人がさまざまな思いを持って今の世の中を生きています。
LGBTをテーマとした作文を作る上で、まず“セクシュアル・マイノリティは簡単に定義できない”ということを覚えておくようにしましょう。
LGBTをテーマにする上で押さえておくこと
人権作文でLGBTをテーマにして書く場合、考えておきたいことがいくつかあります。
人権作文を作成するときにポイントになってくるのが、幅広い視点からLGBTという世界観を見ることです。
人権問題を考える際、注意すべき点が“自分の偏見から解釈されたアプローチ”。
もちろん、何らかの題材についてその団体の中に入り込んで取材できる余裕があればよいですが、高校生では難しい部分があります。
まず、LGBTの人権作文を作る場合は広い視野から見た、今自分が見ている状態へのアプローチから切り込んでいくという必要があるのです。
押さえておきたいポイントは?
では、一体どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。全てではありませんが、考えうるポイントはこれらです。
- 日本におけるLGBTの割合
- 世界におけるLGBTの最新事情
- 自治体などが取り組んでいる対策
- LGBTの人たちのリアルな声
なぜ、これらの情報収集が必要なのか。
例えば、バラつきはありますがLGBTは日本で10人に1人ほどいるといわれています。しかし、それを知らずにほとんど類を見ない希少な人たちと扱ってしまうと、人権作文の論点なども全てがズレてしまいます。
さらに、海外におけるLGBTにおける対策やイベント、事情を知ることで解決策の糸口が掴める上に、自治体の活動に取り入れられる可能性もあります。
そして、何よりもLGBTの方たちがリアルにどういった思いを持って生活しているか。
これを知らないことには、人権作文は机上の空論と成り果てるだけです。調べることが多いかもしれませんが、それだけ内容の濃いLGBTをテーマにした人権作文を作ることができます。ぜひ、このポイントは押さえておきましょう。
LGBTをテーマにした作文の作り方
LGBTについて自分なりに理解できたら、さっそく作文を作りはじめましょう。ここからは、LGBTをテーマにした作文の作り方を見ていきます。
問題提起
LGBTにおける作文を作る際、まず問題提起からスタートさせましょう。LGBTに対して、自分の実体験や考えていること、そして何か変えていかなければいけないこと。
こういったことを作文の書き出してとしてスタートさせていきましょう。“〇〇といわれている”とか“自分の周囲にLGBTの方がいるが、こんな悩みを抱えていた”など、こういったところから作文をスタートさせ、その次に展開していきます。
意見や考え
次に、その問題点を受けて自分はどう思ったのか書き出していきましょう。LGBTの方がこういった悩みを抱えていたが、自分はその悩みについて理解できただろうか。
LGBTではない方たちの意見を聞くと、LGBTの人たちを傷つけるような偏見を持って接している、ただ自分もそういったところがなかっただろうか。問題提起に対する、自分の思いや考えをここで書き出すことで作文のストーリーが少しずつバランスよく構成されていきます。
解決&対策提案
LGBTの作文を書く場合、最後の解決策や自分なりの対策を提案して締めることが重要になっていきます。
“こんなことがあった、そしてそれについてこう思った”というだけでは、ただの感想であり人権作文としては成り立ちません。
問題提起から自分の気持ち、そしてその問題を解決するためにはどういったアプローチが必要なのか提案して人権作文を締めると全体にまとまりが生まれ、読み手がしっかりとその意図を読み取ることができるでしょう。
LGBTをテーマにした人権作文の例文
これらを踏まえた上で、LGBTをテーマにした作文の例文を作っていきます。ぜひ、高校生の方などで人権作文を作成する方は参考にしてみてください。
問題提起の書き出し
LGBTは、セクシュアル・マイノリティの総称。しかし、それに当てはまらない数多くのセクシュアル・マイノリティの方がおり、そういった方が孤立している状況です。
LGBTはセクシュアル・マイノリティの総称とくくられている以上、そうでない方たちが自分の立ち位置を失ってしまっている状態なのではないでしょうか。
意見の書き出し
自分もLGBTというと、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの方の総称でそれらが全てセクシュアル・マイノリティの方を包括すると思っていました。
しかし、これに当てはまらないセクシュアル・マイノリティの人たちがいると知り、その人たちはどういった立場で世の中を生きていけばよいのでしょうか。
もし、自分がその立場だったら不安で心が安定しないはずです。
対策への書き出し
LGBT以外の方がそのことを理解してもらうために、パレードなどのイベントを行うこともひとつの方法です。
しかし、まず私たちがそういった方がいるという理解をしなければいけません。海外では、LGBTsという、LGBTに当てはまらない“s”という方々を包括する言葉が広く浸透しているといいます。
まず、LGBTに当てはまらないセクシュアル・マイノリティの方を知るセミナーなどの機会を自治体が作り、そういった部分から展開していく方法を私は望んでいます。
広い視野こそが良い人権作文を作る
ここでは、LGBTをテーマにした人権作文の書き方や書き出し方などを解説しました。LGBTに限らず、テーマに対して深く理解をした上で人権作文を作ることがとても重要です。
偏見や一方的な解釈を捨て、広い視野で人権やLGBTについて理解し、それをベースに人権作文を作成する。大変な作業ですが、素晴らしい人権作文を生み出す努力をしてみてください。
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