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LGBTの就職は難しい?就活生が気をつけるポイントや、LGBT採用に前向きな企業を紹介。
LGBTへの理解が進み始めているとはいえ、LGBT当事者の方々の就職状況は完全ではないといわれています。
もちろんLGBTフレンドリーな企業も多いですが、自分の行きたい企業がLGBTフレンドリーとは限らないでしょう。
ここでは、LGBTの就職について、気をつけるべきこと、LGBT採用に前向きな企業などを紹介していきます。
LGBTの就職について
そもそもLGBTの就職は難しいのでしょうか。まずは、LGBTと就職の基本について考えていきましょう。
LGBTだからといって不採用はできない
仮に、LGBT当事者の方がそれを企業に伝えたことが要因で不採用となったとします。
そういった事例も少なくないかもしれませんが、じつはLGBTなどセクシュアリティを理由に不採用ということは認められていません。
厚生労働省の出す『公正な採用選考の基本』には、応募者の基本的人権を尊重することや、適性能力のみを基準とすることが重要と記されています。
さらに、障害者、難病のある方、LGBT等性的マイノリティの方(性的指向及び性自認に基づく差別)など、こういった特定の人を排除しないことが必要である…という旨も明記されています。
とはいえ、LGBTの就職は今回のように議題にあがります。
一体、LGBTの就職を難しくしている要因はどこにあるのでしょうか。
LGBTの就職が難しくなる要因
LGBTの就職が難しくなる要因は、やはり採用側や企業側の理解が足りない…という部分が大きい可能性があります。一体、どういうことなのか解説していきたいと思います。
LGBTの方によいイメージがない
LGBTだから皆、同じような正確と言動をするとは当然限りません。セクシュアリティに多様性があるように、その人の性格などは千差万別なのは理解できるでしょう。
しかし、企業の中には以前雇っていたLGBTの方の勤務態度などで悪いイメージを持っていたり、企業の中枢にいる方たちの理解不足などにより就職が難しくなることもあるようです。
LGBTに対する理解があまりにも欠如しているといわざるを得ませんが、現実に存在しているので難しいのです。
準備が整っていない
また、LGBTへの理解をすすめ、当事者の方たちが活躍できる場を設けようと懸命に努力している企業もあります。
しかし、そういった企業の中では受け入れ態勢が100%納得できるものになってからLGBTの方を迎え入れようと考えるという場合もあるのです。
要するに、中途半端な状態でLGBTの方を受け入れたがために、当事者が傷ついたり、イヤな思いをさせてしまいたくない…ということなのです。
しかし、普通の企業であっても社員が100%満足できる受け入れ態勢を取れる場所は多くありません。LGBTの当事者の方を迎え入れ、会社全員で少しずつ改善していくという方法が望まれます。
LGBTフレンドリーでなくても大丈夫?
前述したように、LGBTの方を迎え入れることが難しいという判断をする企業も少なくありません。
しかし、これに踏まえてあまりLGBTだから、セクシュアルマジョリティだから…と線引きをしていない企業もあります。一体、LGBTの方はどのような企業を選べばよいのでしょうか。
LGBTフレンドリーでなくてもいい
例えば、やりたいと思っている業種の中にLGBTフレンドリーの企業がなかったとします。「自分はきっと採用されない」とか「入ってもすぐ辞めてしまうだろう」など、自分自身で進路を狭めてしまっている方も少なくありません。
たしかに、LGBTフレンドリーの企業であれば当事者の方にとってみれば安心でしょう。しかし、人生は就職したら終わりではありません。
そこから、長い期間その業界のプロとして成長し続けなければなりません。あくまで、自分のやりたい仕事を目指す方はLGBTフレンドリーか否かに縛られずに就職活動をするべきかもしれません。
面接で見極めるということも大切
LGBTの当事者である就活生であれば、さまざまな企業に面接しにいくと思います。
その中には、LGBTに前向きな企業もあれば、後ろ向き、またあまり考えていないといったさまざまな企業が存在していることでしょう。さて、就活生が気をつけるポイントは面接で企業をいろいろと見極めるということです。
面接というと企業側が求職者を見定め、判断するというイメージが強いと思います。
しかし、近年はそのような圧迫面接を受け入れるのではなく、求職者が逆に企業を見極める場としても利用されているのです。
求職者はその企業に入った場合、特別なことがない限り数年以上は働き続けることになります。
面接時点でこちらを不快な気持ちにさせたり、就職したら不安な思いになりそう…という企業であれば無理に入ることはありません。とくにLGBTの当事者であれば、しっかりとその部分を見極めるべきでしょう。
カミングアウトについて
LGBTフレンドリーの企業でなくてもいい、まずは自らが入りたい企業、挑戦したい職種で選ぶべき。こう前述しましたが、難しい問題もいくつかあります。
それが、カミングアウトについての問題です。
カミングアウトをすべきか否か
LGBT当事者の就活生の中には、LGBTということをカミングアウトせずに面接に臨む方もいるかもしれません。
そして、そもそも自らがセクシュアルマイノリティということを周囲にカミングアウトせず、社会人を迎える方も数多く存在するでしょう。
そういった中での問題があるとすれば、カミングアウトはすべきか否かという部分になります。仮に、LGBTであることを堂々と伝えて面接に望んでいくという方であれば、就職後に何かミスマッチする確率は減るかもしれません。
しかし、前述したように未だLGBTの方を受け入れられる体制が整っていない企業だった場合、それが要因で不採用となることも受け入れる必要があります。
カミングアウトをしなかった場合
一方でLGBTをカミングアウトすることなく、企業に就職した後でカミングアウトするという方もいるでしょう。それで周囲が納得してくれ、温かく迎えてくれるのであれば問題はありません。
しかし、カミングアウトによってアウティングなど自らが傷つくような事例が発生する確立もゼロではありません。
LGBTの就活生がとくに気をつけるべき部分としては、カミングアウトしていくべきか、そしてとくに言わずに面接に臨むかです。この問題は、「〇〇をすれば100%こういった結果になります」と断言できるものではありません。
就職したい企業、そして周囲の環境などによってしっかりと考えるべき問題なのではないでしょうか。
LGBT採用に前向きな企業は?
LGBTに前向きな企業を紹介します。
★イオンスーパーセンター
★イオン
★UBS(UBS Group AG)
★株式会社みずほフィナンシャルグループ
★株式会社サニーサイドアップ
★大阪ガスグループなど
★日本IBM株式会社
★資生堂グループ
★株式会社サニーサイドアップ
★株式会社リクルートホールディングス
★株式会社ダイバース
★日本オラクル株式会社
★ソフトバンク株式会社
★JT
★アクセンチュア株式会社
★日本マイクロソフト
LGBTに前向きな企業は多い
このように、LGBTの採用に前向きな企業は数多く存在しています。もちろん、このほかにも多くありますし、そういった情報を取り扱っているサービスもあるので利用してみましょう。
LGBTの就職は相談から
LGBTの就職は難しい部分もある一方で、逆に積極的に採用している企業があるなど、一概に「難しい」とは言い切れません。
LGBTの当事者で就活生である方は、まずLGBTの就職に前向きな企業などを取り扱っているエージェントなどに相談するところから始めてみてもいいのではないでしょうか。
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