COLUMN
LGBTを描いた本のおすすめ小説11選。ジャンル別に感想と合わせて紹介。高校生や大学生にも人気の本。
LGBTについてもっと知りたい。そんな方には、LGBTを題材にした本や小説がおすすめです。
映画やアニメ、ドラマなどもありますが、「文章として感じたい」という方も多いかもしれません。
ここでは、高校生や大学生に人気の本をはじめ、さまざまななジャンル別に感想も添えながら、LGBTを描いた本のおすすめ小説を紹介していきます。
LGBTについて
LGBTの本や小説を読む前に、LGBTの基礎知識をおさらいしましょう。
LGBTとは?
LGBTとは、「★レズビアン(Lesbian)★ゲイ(Gay)★バイセクシュアル(Bisexual)★トランスジェンダー(Transgender)」という4つのセクシュアリティの頭文字から構成されている言葉です。
セクシュアルマイノリティの総称として使用されており、近年認知度が広がってきています。
多様なセクシュアリティ
LGBTはセクシュアルマイノリティの総称とお伝えしました。しかし、セクシュアリティは4つだけではありませんし、ほかにも多様なセクシュアリティがあります。
LGBTに関連する本を読む上で重要なことは、「LGBTだけがセクシュアルマイノリティ」ということではなく、ほかにもさまざまな性のあり方がある…ということを前提に読み進めると理解しやすいでしょう。
中高生向けのLGBTの本や小説
ここからは、おすすめのLGBTの本や小説を紹介していきます。まずは、中高生向けのものから確認していきましょう。
トランスジェンダーってなに? (わたしらしく、LGBTQ)(2017)
ロバート・ロディ,ローラ・ロス,LGBT法連合会,上田勢子など、多くの方が携わって上梓された一冊が「トランスジェンダーってなに? (わたしらしく、LGBTQ)」です。
主題はトランスジェンダーですが、そもそもジェンダーとは何か…という部分がしっかりと解説されている本。
ただ解説が掲載されているだけでなく、トランスジェンダーの当事者の方たちが抱える悩みを事例を用いて、わかりやすく書かれています。
13歳から知っておきたいLGBT+(2017)
アシュリー・マーデル,須川綾子さんが作者の「13歳から知っておきたいLGBT+」。
ポップなタイトルではありますが、中身はとても濃くLGBTの問題にしっかりと向き合った内容になっています。LGBTの基本はもちろん、それ以外のセクシュアリティにも深く切り込んでいます。
LGBTを理解することを前提としていますが、それ以外にもさまざまなセクシュアリティがある…ということをしっかりと伝えている名著といえるでしょう。
カラフルなぼくら 6人のティーンが語る、LGBTの心と体の遍歴(2014)
スーザン・クークリン、浅尾敦則が作者の「カラフルなぼくら 6人のティーンが語る、LGBTの心と体の遍歴」。
ピンクのシャツに蝶ネクタイ、レインボーカラーのベルトをした若者が佇む穏やかな表紙。しかし、内容は6名の当事者のインタビューが掲載されており、全体的に生々しく強い葛藤を持っていることを知ることができます。
少し重たい内容ですが、しっかりとリアルを知りたい…という中高生にはオススメです。
教育現場で働く人や大学生向け
次に、教育現場で働かれている方や大学生に向けたオススメのLGBTの本や小説を紹介していきましょう。
LGBTサポートブック: 学校・病院で必ず役立つ(2016)
はたちさこ,藤井ひろみ,桂木祥子らが作者の、「LGBTサポートブック: 学校・病院で必ず役立つ」。
こちらは当事者の物語や小説といったかたちではありませんが、分かりやすくLGBT関連の話題がシンプルに掲載されています。
「みんなの更衣室」や「みんなのトイレ」についてなど、LGBTの方との向き合い方、施設のあり方などに言及されているので教育現場の職員や大学生にもおすすめでしょう。
LGBTってなんだろう? -からだの性・こころの性・好きになる性 (2014)
「LGBTってなんだろう? –からだの性・こころの性・好きになる性 」は、教育現場や日常生活、さらに当時の政府の取り組みなどがまとめられている本です。
LGBTの基礎知識はもちろん、学校行事、○×クイズ、さらに当事者の相談窓口に関する情報などさまざまな情報が掲載されています。
比較的文章量は多いものの、見やすく整理されているので初めてLGBTに触れる方でもストレスなく読み進められるでしょう。
企業の経営者や社会人の方向け
次に、現在会社で経営に携わっているとか、社会人として働いている方向けにおすすめのLGBTの本や小説を紹介していきましょう。
職場のLGBT読本(2015)
シンプルな題名が特徴の「職場のLGBT読本」。
経営者目線における、企業とLGBTの付き合い方、そして対策方法などいろいろな情報が掲載されています。
企業向けに上梓されている本なので、LGBTの基礎知識や当事者たちが職場で抱えている問題、さらに実際の企業から学ぶケーススタディなどLGBTを迎える企業、さらに当事者でも理解しやすい内容となっています。
図解や対話形式だったり、読み手に優しい構成となっている部分も特徴かもしれません。
LGBTを知る(2018)
森永貴彦さんが上梓した、「LGBTを知る」。
とくに経営者だったり、将来LGBTを受け入れる企業に入ったり、当事者の方たちにおすすめの一冊となっています。LGBTについてはもちろん、LGBT社員と企業の付き合い方やケーススタディを取り込んだ内容が特徴です。
しかし、同著の最大のポイントは、ダイバーシティを目指すためのロードマップに加え、LGBT層をとりこんだマーケティングなど実践的な内容が記載されているところでしょう。
文字数が多くビジネス本といった感じではありますが、LGBTと社会を結びつけるために何が必要なのか…ということを真剣に考えたい方にはおすすめです。
本好きの大人向け
LGBTの基礎知識や当事者の悩み、社会との関わり方などではなく、物語としてLGBTに触れたい本好きの大人の方も多いかもしれません。ここからは、本好きの大人に向けた、LGBTの本や小説を紹介していきましょう。
キッチン(1988)
吉本ばななさんのデビュー作として話題になった、「キッチン」。
戸籍上の性別は男性であるものの、妻と死別して以来、女性として生きることを決めたストーリー設定が特徴です。
自ら強い意志をもって女性として生きることを選んだ主人公。その生き様に感動できる本好きにもおすすめの作品です。
夏の約束(1999)
第122回芥川賞受賞作としても大きな話題を集めた一冊、「夏の約束」。
マルオとヒカルというゲイのカップル、そしてトランスセクシュアルの知人、さらにその友人たちが取り巻くストーリーです。
一生付き合っていけるかわからない関係性でありながら、愛情を育むゲイカップルの姿を純粋に描いた作品が感動を呼びました。
LGBTについて学術的に深く知りたい方
LGBTを学術的な視点から知りたいという方に向けの本を紹介していきます。
カミングアウト(2018)
「カミングアウト」は、そのタイトル通り「カミングアウトについて」詳しく書かれている一冊となります。
LGBTの基礎知識はもちろん、カミングアウトをするかしないか、されるか…など、さまざまな立場での見解が掲載されています。さらに、LGBTにおける法や制度、教育現場でのLGBT当事者の話題なども詳しく掲載されています。
LGBTを読みとく : クィア・スタディーズ入門(2018)
LGBTの基礎知識からゲイたレズビアンの歴史、トランスジェンダーなど、LGBTのあり方や社会が抱える問題について言及した一冊が「LGBTを読みとく : クィア・スタディーズ入門」。
LGBTフレンドリーという言葉の裏側、社会の闇などにも切り込んだ、レベルの高い一冊と考えていいでしょう。
自分に合った本を手に取ろう!
LGBT関連の本を読む際、自分の立場やどういったことに役立てたいかなど、目的を持って手に取るとより理解が深まるかもしれません。
また、小説など物語として当事者たちのあり方を知るのもいいでしょう。ぜひ、ご自身に合ったLGBT関連の本や小説を見つけ出してみてください。
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