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LGBTの割合は日本で10人に1人?左利きの人と同じ割合?2020年の最新調査ではどれくらい?

近年、日本でもLGBTに関する調査が多く行われています。中には、左利きの方と同じ割合というデータがあるなど、その特徴も多種多様。しかし、LGBTのデータは調査団体によってバラつきがあるともいわれています。

ここでは、LGBTの割合やバラつく理由など、2020年までの最新調査でわかっている情報をお伝えしていきます。

LGBTの定義

LGBTの調査を比較する上で、そもそもLGBTとは何か理解しておく必要があるでしょう。データをチェックする前に、LGBTの定義についてお伝えします。

LGBTの定義は?

LGBTは、セクシュアル・マイノリティの総称を表す言葉のひとつ。それぞれのセクシュアル・マイノリティの頭文字から構成されています。

  • レズビアン(Lesbian)
  • ゲイ(Gay)
  • バイセクシュアル(Bisexual)
  • トランスジェンダー(Transgender)

これらが全てのセクシュアル・マイノリティを包括しているわけではありませんが、代表的なものとしてLGBTという言葉が使われています。

今日、日本国内でもLGBTを取り扱うテレビ番組やウェブサイト、またLGBT関連のイベントなどが多数開催されている状況。

“マイノリティ”という言葉通り世間一般的には多数派ではないものの、近年日本でもLGBTへの理解が進みつつある状況といえるのではないでしょうか。

日本におけるLGBTの割合は?

“LGBTについて理解が進んでいる”とはいえ、実際どのくらいの方がLGBTなのか把握できていないと意味がありません。

日本人は恥の文化ともいわれていることから、それをカミングアウトしない方も多いイメージです。しかし、2020年現在の最新調査をみると、想像以上に多くの方がLGBTだということがわかってきました。

ここからは、日本におけるLGBTの割合について見ていきたいと思います。

LGBTを調査する団体

日本におけるLGBTの割合を調べているのは、ひとつの団体ではありません。じつは、数多くの団体がLGBTについての調査を行っており、それぞれ調査の結果にバラつきが出ています。まず、ベースとなる各団体の2020年現在の最新の調査結果についてみていきましょう。

電通ダイバーシティ・ラボ

LGBT調査でよく知られているのが、電通ダイバーシティ・ラボの調査です。電通ダイバーシティ・ラボでは、2012年よりLGBTの割合調査を行っており、2020年現在では2018年の調査結果が最新とされています。

電通ダイバーシティ・ラボが全国20~59歳6万人の方を対象に行った「LGBT調査2018」によると、LGBT層に該当する人は8.9%という結果が出ています。割合で算出すると、11人に1人がLGBTということになります。

株式会社 LGBT 総合研究所

そのほか、LGBTを調査しているのが博報堂DYグループの株式会社 LGBT 総合研究所。2016年から調査を行っており、2019年の調査が2020年現在の最新調査となります。

同研究所の行ったLGBT調査は、全国20歳から69歳の個人を対象に有効回答者34万7,816名を対象としたもの。

結果は、全体の約10%LGBTや性的マイノリティという回答を得られたとのことです。この結果からLGBTの割合をみると、10人に1人ということになります。

日本労働組合総連合会

労働環境関連の調査などを行う日本労働組合総連合会も、2016年にLGBTに関する意識調査を行っています。対象は、20歳〜59歳の働く男女1000人で、全てインターネットでの調査。

結果、LGBTの当事者であると回答した方は全体の8%という結果となったとのことです。日本労働組合総連合会の調査結果からLGBTの割合を算出すると、13人に1人がセクシュアル・マイノリティであるということになりました。

名古屋市役所 総務局総合調整部男女平等参画推進室

名古屋市の市役所にある、総務局総合調整部男女平等参画推進室もLGBTについての意識調査を行っています。2020年最新のデータとしては2018年のデータになりますが、調査した人数の約1.6%LGBTの当事者という結果が示されています。

これを、LGBTの割合として算出すると100人に1人の割合となることがわかります。

「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム

2019年に、「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チームが大阪府の協力を得て「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」を実施し、LGBT人口を調査しています。

大阪府の住民基本台帳より抽出(無作為)した18歳から59歳を対象にしたアンケートで、4,294人の回答を回収(有効票4,285)。

ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダー、アセクシュアルの合計が3.3%となり、これに「決めたくない、決めていない」を含めた質問の回答者は8.2%と示唆されています。

LGBTの割合にすると、前者が33人に1人、後者が13人に1人となります。

2020年最新のLGBTデータ

これらの情報をまとめた結果がこちらです。

  • 電通ダイバーシティ・ラボ/11人に1人/約8.9%
  • 株式会社 LGBT 総合研究所/10人に1人/約10%
  • 日本労働組合総連合会/13人に1人/約8%
  • 名古屋市役所 総務局総合調整部男女平等参画推進室/100人に1人/約1.6%
  • 「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム/33人に1人(※A)13人に1人(※B)/約3.3%(※A) 約8.2%(※B)

※Aゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダー、アセクシュアルの合計

※B LGBTに加え「決めたくない、決めていない」の合計

左利きの人と同じ割合?

これら結果を見た上で、LGBTを自覚している方が比較的多いことが理解できたのではないでしょうか。この数あるデータの中で、電通ダイバーシティ・ラボが公表した「LGBT調査2018結果報告」を受けてこんなことが話題となりました。

左効きと変わらない比率

それが、「左効きとほぼ同じ割合」というデータです。電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2018結果報告」では、LGBT層に該当する人は8.9%と示唆されています。

これは11人に1人の割合とされていますが、じつは左効きの方と同じくらいのデータでもあるのです。LGBTは、セクシュアル・マイノリティですが左効きの方と同じくらいいるのであれば、かなり身近な存在といえるでしょう。

数に実感が湧かない理由とは?

プロ野球選手をはじめ、スポーツ選手には左効きで活躍している選手が多数見受けられます。

それほど、「左効き」は私たちに馴染み深いものですが、LGBTはどうでしょうか。職場や知人、友人などLGBTの方は周囲にいないという意見を持つ方は少なくないはずです。

その理由として、親や知人、友人に面と向かって自身がLGBTとカミングアウトできていない方が多いからといわれています。

とあるデータによると、LGBTと誰かにカミングアウトしているか否か、というアンケートで約7割近くの方が「誰にもカミングアウトしていない」と答えているデータもあります。

LGBTへの理解が進み始めているとは、いまだカミングアウトしにくい世の中であることを物語っている数字なのではないでしょうか。

データにバラつきがあるのはなぜ?

今回お伝えした、日本におけるLGBTの最新データにバラつきがあることが気になった方もいるでしょう。

これだけの調査団体がLGBTについて調査している中で、なぜここまで結果にバラつきがでてしまったのでしょうか。まず、年代が違うことや調査方法、調査対象者、調査対象者人数に違いがあるからと考えられます。

北海道と東京、大阪で同じ人数を調査しても結果は変わってくるでしょう。また、若年層の男性と女性のLGBT調査では、当事者比率は倍近く女性が多いことがわかっています。

また、LGBTではくくれないセクシュアル・マイノリティの方もいると考えれば、回答無し、答えたくない、よくわからないという方もいるはずです。今後、LGBTの割合を調査する場合、LGBTsなど全てのセクシュアル・マイノリティを包括する必要性もあるのかもしれません。

LGBTの割合は今後も変わってくる

日本におけるLGBTの割合は、左利きと同じといいながらもそれ以上の可能性もあります。

今後、各調査団体がバラつきなくより明確な数字がわかってくることが、よりLGBTの理解を深めることに役立つことでしょう。

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