COLUMN
セクシュアリティとは?意味や診断項目、種類について。ジェンダーとの違いも解説。
LGBTなど、近年さまざまなセクシュアリティが知られ始めています。
しかし、そもそも「セクシュアリティ」とはどういった意味の言葉なのか知らない方もいるかもしれません。ここでは、セクシュアリティの意味や種類、さらにジェンダーとの違いについて考えていきたいと思います。
セクシュアリティについて
LGBTをはじめとした、さまざまなセクシュアリティ。
近年、セクシュアルマイノリティをオープンに活躍する有名人も増えてきた関係から、広く知られるようになりました。
しかし、セクシュアリティという言葉は日本人には少し馴染みが薄く、知らない…という方もいるかもしれません。
ここでは、まずセクシュアリティという言葉について考えていきたいと思います。
セクシュアリティとは?
セクシュアリティ(sexuality)とは、広く人間の性に経験などにかかわる全てのことを指した言葉です。
日本ではあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、これ…といった定義があるのではなくあくまで広く人間の性に関連する言葉と考えるとわかりやすいでしょう。
19世紀頃に欧米で使われ始めた言葉といわれており、最初は「植物・動物の生態における有性生殖」といった性の事実をあらわす生物学上における言葉だったようです。
しかし、時代が進みさまざまな分野の発達により、その意味や内容が広がってきたと考えられています。
セクシュアリティの要素とは?
セクシュアリティをわかりすくまとめると「人間の性のあり方」と考えることもできます。
このセクシュアリティには大きくわけて4つの要素があるといわれており、LGBTなどセクシュアルマイノリティについて知る上でも重要な要素です。
ここからは、セクシュアルマイノリティの要素について考えていきましょう。
セクシュアリティを決める要素について
セクシュアリティを決めるための要素には、これら4つがあります。
★身体的性
★性自認
★性的指向
★性表現
それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
身体的性
身体的性とは、生物学的な性やからだの性ともいわれている要素です。生まれたときに割り当てられる性であり、女性や男性、不明の三種類に選択されますが、出生届は男性・女性のいずれかの選択となります。
性自認
性自認とは、性同一性やこころの性ともいわれる要素です。
自らをどのような性と考えているのか…という要素になり、男性・女性・まだわからない、模索中などさまざまな考え方の方がいます。割り当てられた性ではないという考え方もあります。
性的指向
性的指向とは、どういった性に対して恋愛感情や性的感情を感じるか、という要素のことです。女性を対象とする方であれば、性的指向は女性に向いていると考えることができます。
女性・男性の両方という方やどの性にも恋愛感情を感じない方などさまざまなあり方があります。
性表現
性表現とは、自分がどのような性として見せたいか…という要素です。性役割とも考えられており、性別によって期待される行動や役割などに関連するともいわれています。
セクシュアリティの種類
これらセクシュアリティを決める要素によって、それぞれのセクシュアリティが定義づけられていきます。ここでは、セクシュアリティの種類について考えていきたいと思います。
LGBT
セクシュアリティを決める要素からわかる、代表的なセクシュアリティが「LGBT」です。
LGBTとは、「★レズビアン(Lesbian)★ゲイ(Gay)★バイセクシュアル(Bisexual)★トランスジェンダー(Transgender)」の4つのセクシュアリティの頭文字から構成されている言葉。セクシュアルマイノリティの総称としても知られています。それぞれの種類について紹介しましょう。
レズビアン
レズビアンとは、性自認が女性で性的指向が女性というセクシュアリティです。
ゲイ
ゲイとは、性自認が男性で性的指向が男性に向いているセクシュアリティです。
バイセクシュアル
バイセクシュアルとは、性的指向が女性と男性の両方に向いているセクシュアリティです。
トランスジェンダー
トランスジェンダーとは、身体的性と性自認が一致しておらずそれについて違和感を感じているセクシュアリティです。広義と狭義が存在しています。
LGBT以外のセクシュアリティ
LGBTはセクシュアルマイノリティの総称とお伝えしました。しかし、セクシュアルマイノリティはLGBTだけではありませんし、ストレートの人にはセクシュアリティがないというわけでもありません。ここからは、LGBT以外のセクシュアリティについても考えます。
パンセクシュアル
パンセクシュアルとは、性的指向に相手の性を条件としていないセクシュアリティです。
アセクシュアル
アセクシュアルとは、性的指向がどの性にも向いていないセクシュアリティです。
クエスチョニング
クエスチョニングとは、性自認が定まっていないセクシュアリティです。クエスチョニングにはさまざまなタイプがあります。
シスジェンダーやヘテロセクシュアル
セクシュアリティには、性自認と身体的性が一致しているシスジェンダーや性自認と身体的性が一致し、性的指向が異性というセクシュアリティもあります。とくにヘテロセクシュアルなど、一般的なセクシュアリティと思われますが幅広くあるタイプのひとつに過ぎません。
レズビアンやゲイ、トランスジェンダーがマイノリティなのではなく、全ての人にセクシュアリティがあるのです。
ジェンダーとの違い
セクシュアリティと似たように思われている言葉に、「ジェンダー」があります。しかし、ジェンダーとセクシュアリティは違う言葉ということを知っておく必要があるでしょう。
ジェンダーとは?
そもそも、ジェンダーとは社会的な意味合いからみた男女の性区別のことです。多義的な概念ではありますが、大きくとらえると「性別にかんすると社会的な規範、性差」を指す言葉として捉えることができます。
セクシュアリティは、「人間の性のあり方」とお伝えしましたが、ジェンダーはそれに付加された社会的または文化的性差を指しています。
男性だからこうあるべき、女性だからこうあるべき…という概念がジェンダーですので、セクシュアリティとは厳密には違うものと考えるのがよいでしょう。
セクシュアリティ診断について
セクシュアリティは多様であることから、自らのセクシュアリティを知りたいという方もいるでしょう。ここからは、簡単なセクシュアリティ診断を紹介します。
ただし、あくまで傾向がわかるだけであり、これが完全に診断者のセクシュアリティを決めつけるものではありません。それを踏まえた上で確認してみてください。
セクシュアリティ診断
★あなたの生まれた時の性は男性・女性?
★あなたは自分の性をどう認識していますか?女性?男性?考え中?決めたくない?
★自認している性とは違う言動・服装をしてみたい?
★人を好きになる時、恋愛感情のみ?性的感情のみ?そもそも好きにならない?
★好きなる人の性別は異性?同性?どちらも?
★恋愛的に好きになる条件は?絆が深い人?条件などはない?相手には好きになってほしくない?
セクシュアリティは多様
そもそもセクシュアリティを一言で定義づけることに無理があるかもしれません。
人は多様であり、いろいろなあり方があってしかるべきです。あらためてセクシュアリティについて考え、自らのセクシュアリティについても真剣に対峙してみましょう。
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