COLUMN
LGBTって何?よく分からない方を対象に1から簡単にわかりやすく解説。
近年、耳にすることが多くなった言葉「LGBT」。
テレビやネットで活躍するタレントなどが自らセクシュアルマイノリティであることを好評するなど、幅広い層にLGBTのことが広まりつつあります。
しかし、この言葉だけは聞いたことがあるものの、どういった意味なのか分からない方もいるでしょう。ここでは、LGBTの基本について教えます。
セクシュアルマイノリティについて
まず、LGBTを考える上で重要な言葉がセクシュアルマイノリティという言葉です。
まずはセクシュアルマイノリティについて考えていきましょう。
セクシュアルマイノリティって何?
そもそも、セクシュアリティとはどういう意味を持った言葉なのでしょうか。実はセクシュアリティという言葉に対して、完全に正しいという日本語訳はありません。
つまり、さまざまな意味を持っている言葉ということになります。ただし、それでは漠然とし過ぎており話が進みません。
ここでは、セクシュアリティとは、「人の性のあり方」と定義します。
セクシュアルマイノリティとは?
セクシュアルマイノリティという言葉が今回出てきます。
セクシュアルマイノリティとは、「少数派」を意味するマイノリティという言葉が、セクシュアリティにプラスされている言葉です。
多数派のことをマジョリティというため、セクシュアルマイノリティとは、マジョリティと考えられているセクシュアリティではないマイノリティな性と考えることができるでしょう。
ただし、ここで注意すべきは「マジョリティ」が正しく、マイノリティが異例ということではないことです。
セクシュアリティは多様であり、まさにグラデーションのようになっています。
あくまで、一般的にいわれているセクシュアリティとは違っているという意味でセクシュアルマイノリティが使われており、マイノリティという言葉が使われない未来を期待することが大切です。
LGBTについて
ここからは、今回の主題であるLGBTについて学んでいきましょう。
LGBTとは?
まず、LGBTとは4つのセクシュアリティの頭文字から構成されている言葉です。
★レズビアン(Lesbian)
★ゲイ(Gay)
★バイセクシュアル(Bisexual)
★トランスジェンダー(Transgender)
これら4つのセクシュアリティがLGBTを構成していることから、「セクシュアルマイノリティの総称」として使用されています。これらセクシュアリティについては後述します。
セクシュアリティを決める要素とは?
LGBTを理解する上で、次に重要になってくるのがセクシュアリティを決める要素です。
“セクシュアリティを決める要素”といいますが、前述したようにセクシュアリティはグラデーションのようになっており、この要素に当てはまるから100%該当するセクシュアリティである、とは言い切れません。
あくまで、傾向。そう捉えておくと広い視点でセクシュアリティを見ることができるでしょう。
セクシュアリティを決める要素を解説
では、セクシュアリティを決める要素について学んでいきましょう。セクシュアリティを決める要素は、おおよそ4つに分けられるといわれています。
★身体的性 Sex
★性自認 Gender Identity
★性的指向 Sexual Orientation
★性表現 Gender Expression
言葉だけだと分かりにくい部分もあると思うので、ひとつずつ解説していきたいと思います。
身体的性
身体的性とは、生まれた時に決められる性別のことです。
性腺や性ホルモン、外陰、内陰など「生物学的な観点から決められる性」と考えるとわかりやすいでしょう。
性自認
性自認とは、自分がどのような性と認識しているか、という要素になります。分かりやすくいえば、「私は〇〇(性別)だ」という要素であり、その〇〇にどの性が入るかによって変わってきます。
例えば、私は女性だと思っているという方の場合、性自認が女性という考え方できるわけです。
性的指向
性的指向とは、どのような性に恋愛感情や性的感情を抱くかといった要素です。
分かりやすくいえば、「私は、〇〇(性別)の人を好きになる」という感じです。例えば、女性に恋愛感情を抱き、性的感情を抱くという方であれば性的指向が女性に向いていると考えることができます。
もちろん、男性・女性の両性を好きになる方もいれば、どちらの性にも恋愛感情を抱かないという方もいます。
性表現
性表現とは、自らをどのような性として表現しているか…という要素になります。「私は、〇〇(性別)として表現したい」といった感じです。
例えば、自らを男性として表現したいという方が、男性の服装と言葉遣い、言動をするといったイメージでしょう。
LGBT以外のセクシュアリティを知る
セクシュアリティを決める要素についてお伝えしてきました。これら4つの要素のあり方によってセクシュアリティが決められるということは、LGBTだけではない多様なセクシュアリティがあることを想像できるでしょう。
そもそも、LGBTに該当するセクシュアリティはこのようなセクシュアリティです。
レズビアン
性自認が女性で、かつ性的指向が女性に向いているセクシュアリティ。
ゲイ
性自認が男性で、かつ性的指向が男性に向いてるセクシュアリティ。
バイセクシュアル
バイセクシュアルは、性的指向が男性と女性の「両性」に向いているセクシュアリティ。
トランスジェンダー
トランスジェンダーは、身体的性と性自認が一致しておらず違和感を感じているセクシュアリティ。
セクシュアリティの総称とはいいますが、これらだけがセクシュアルマイノリティといわれると違和感を感じる方もいるかもしれません。
ほかのセクシュアリティもあるので見ていきましょう。
LGBT以外のセクシュアリティ
例えば、男性女性問わず全ての性に恋愛感情を抱く「パンセクシュアル」というセクシュアリティがあります。
バイセクシュアルと混合されがちですが、性的指向の違いによって別のセクシュアリティだと考えられています。
そして、自身の性的指向や性自認が定まっていない、定めたくないという「クエスチョニング」というセクシュアリティもあります。
トランスジェンダーのひとつともいわれていますが、具体的には違うセクシュアリティです。
そのほか、性的指向が誰にも向かない「エイセクシュアル」、異性の服装をすることを好む「クロスドレッサー」や「トランスヴェスタイト」など、多様なセクシュアリティがあることを理解しておきましょう。
SOGIについて
LGBTはセクシュアリティマイノリティの総称とお伝えしました。
しかし、前述したようにセクシュアリティは多様であり、近年はLGBTという言葉ではない言葉も必要であると議論されています。その中のひとつに、「SOGI」というものがあります。
一体、どのような言葉なのか解説していきましょう。
SOGIとLGBTの違い
SOGIとは、「Sexual Orientation & Gender Identity」の頭文字から構成されている言葉であり、日本語では「性的指向と性自認」と訳されています。
SOGIは、性的指向と性自認という概念の言葉とされていることから、総称というよりは性の要素の尺度を表した言葉です。
性的指向、性自認は全てのセクシュアリティに関係する要素であることから、ヘテロセクシュアルやストレートと呼ばれるセクシュアリティにおけるマジョリティもSOGIに当てはまります。
つまり、LGBTはセクシュアルマイノリティの総称ですが、SOGIは幅広いマイノリティだけではない全てのセクシュアリティも一緒という尺度を持った言葉ということです。
LGBTの形も変わってくる
LGBTの基本をお伝えしました。しかし、これら定義もその時代によって少しずつ変化していくかもしれません。
そういった時に戸惑わぬよう、まずは基本をしっかりと理解しておくこと。これが、セクシュアリティの多様性について深く理解する重要なポイントにもなっていくのではないでしょうか。
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