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ジェンダーギャップ指数とは?日本のランキングが低い理由は?改善点や解決策についても解説。

日本は今、LGBT問題だけでなく、ジェンダーギャップの問題についても考えていかなければいけません。 

世界的に見てもジェンダーギャップ指数のランキングが低い日本ですが、その根底的な問題はどこにあるのでしょうか。 

ここでは、ジェンダーギャップ指数について、日本のランキングが低い理由や改善点、解決策についても解説していきます。 

ジェンダーについて 

ジェンダーギャップについて考える際、重要になってくるのがジェンダーとは何か?ということについてです。まず、ジェンダーという言葉について考えていきましょう。 

ジェンダーとは? 

ジェンダーとは、男女であることに基づいて定められている社会的属性などのことです。機会、女性・男性、女児男児の関係性や、男女間における相互関係もジェンダーという言葉も意味しています。 

少しわかりにくいですが、要するにジェンダーとは一定の背景において、女性だから〇〇をしろ、男性だから〇〇をしろなど、その性に課せられる責任や活動、意思決定などに関連する言葉と考えるとわかりやすいでしょう。 

「男らしい」や「女らしい」という考え方もジェンダーのひとつと考えられます。 

ジェンダーギャップについて 

ジェンダーについて理解した上で、ジェンダーギャップについて考えていきましょう。 

ジェンダーギャップとは? 

ジェンダーギャップとは、男女格差のことです。例えば、男性は自由な服装だが、女性はスカート以外を認めないという考え方があるとすれば、ジェンダーギャップのひとつといえるでしょう。 

つまり前述したように、ジェンダーの役割がしっかりと分かれていればいるほどにジェンダーギャップがあると考えられます。 

しかし、概念だけではどういった男女格差があるかわかりません。ここで出てくるのが、ジェンダーギャップ指数という言葉なのです。 

ジェンダーギャップ指数について 

ジェンダー、そしてジェンダーギャップについてお伝えしてきました。それを踏まえた上で、今回の主題であるジェンダーギャップ指数についてお伝えしていきたいと思います。 

ジェンダーギャップ指数とは? 

男女の格差を計る上で指標にされているのがジェンダーギャップ指数という数値。 

ジェンダーギャップ指数は、「経済・政治・教育・健康」といった4つの分野に分かれており、これが0に近いほど完全不平等、そして1に近いほど完全平等というかたちで表されています。 

ジェンダーギャップ指数の項目 

ジェンダーギャップ指数は大きく4つの分野に分かれているとお伝えしました。では、各分野の項目について簡単に見ていきましょう。 

経済分野 

まずは、経済分野におけるジェンダーギャップ指数を計る項目です。 

★経済(全体) 

★労働力率の男女比 

★同種業務での給与格差 

★勤労所得の男女比 

★幹部・管理職での男女比 

★専門職・技術職の男女比 

教育分野 

次に、教育分野におけるジェンダーギャップ指数を計る項目です。 

★教育(全体) 

★識字率の格差 

★基礎教育在学率の格差 

★中等教育在学率の格差  

★高等教育在学率の格差 

保健分野 

保健分野におけるジェンダーギャップ指数を計る項目をみていきましょう。 

★保健(全体)  

★出生時の男女比  

★健康寿命の男女比 

政治分野 

最後に、政治分野におけるジェンダーギャップ指数を計る項目です。 

★政治(全体)  

★国会議員の男女比  

★閣僚の男女比  

★過去50年間の国家代表の在任年数の男女比 

日本のランキングについて 

これらジェンダーギャップ指数の各項目を得点化していき、世界ランキングが発表されています。 

近年、日本も女性が社会で輝ける体制になってきたり、LGBTフレンドリーな企業が出てくるなどジェンダーギャップが少しずつ小さくなってきたかもしれません。 

そのため、世界でもかなりランキングが高いと思う方もいるかもしれません。実際のランキングはどうなのか、解説していきましょう。 

日本のランキングは低い 

ジェンダーギャップ指標ランキングの対象となっているのは、世界153カ国。2019年「ジェンダー・ギャップ指数」における日本のランキングはなんと、121なのです。 

153カ国ということですので先進国も全て対象になっているのですが、その先進国の中でも最もランキングが低いことがわかっています。 

さらに、2018年「ジェンダー・ギャップ指数」時には110位だったということですので、大きく順位を下げていることがわかります。 

少しずつジェンダーギャップが埋まってきたように感じている方もいるかもしれませんが、逆に広がっている可能性がある…という辛い結果が示唆されています。 

他国は? 

2019年「ジェンダー・ギャップ指数」ランキングの1位は、アイスランド。スコアは0.877です。次いで、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ニカラグアとなっています。中国は106位、韓国は108位とアジア勢が低いイメージですが、それよりも低い日本。

一体、日本はなぜここまでランキングが低くなってしまっているのでしょうか。 

日本のスコアが低い分野 

日本がジェンダーギャップ指数ランキングで下位であることに驚かれた方もいるかもしれません。 

しかし、なぜここまで低くなってしまっているのでしょうか。 

経済と政治 

日本が大きくランキングを下げる要因となっているのが、経済と政治の分野でのスコアの低さです。 

例えば、指導的分野の女性の割合が14.8%となっていますが、これは世界全体で131位と最下位に近い数字となっています。 

さらに、政治分野においては議会における女性議員の比率が10.1%ということで、世界135位。2018年に成立した「政治分野における男女共同参画推進法」のおかげで少しずつ改善してきていると思われていますが、現実は世界とのギャップが大きいままであることがわかります。 

ただし、教育分野における識字率の格差は世界1位、基礎教育在学率の格差は世界1位とこの二つだけはずば抜けています。 

ここから、日本がジェンダーギャップに抱える問題が潜んでいるのではないかと考えられます。 

女性が活躍できる社会へ 

基礎的、義務的な教育という面では、日本はジェンダーギャップはほとんどありません。 

しかし、全体を見ると極端に低く世界から見ても下から数えた方がずっと早いという位置につけています。まず、この問題は女性がなかなか要職につくことができないことが考えられます。 

まず、年功序列という働いた期間が長いことで出世が決まることが多く、育児や介護という側面で女性に負担がかかってしまう女性は不利といえるでしょう。 

一般企業の多くも女性は結婚してしまう、出産を機に辞めてしまう、空白が出来てしまう…などが理由で出世街道が空外され、キャリア形成しにくい構造になっています。 

しかし、一方でリモートワークなどを積極的に推進している企業があったり、福利厚生の一環として低用量ピル服用を支援する企業があるなど、ジェンダーギャップを埋めるための努力をしている場所もあります。 

さらに男性の育休が進んでいたり、水面下ではありますが少しずつ日本もジェンダーギャップにおける対策に動き始めています。まだまだ、改善する場所は数多く存在しています。 

当事者だけではなく、日本全体で考えていくべき問題なのではないでしょうか。 

ジェンダーについて考えよう 

男女格差だけではなく、LGBTなどセクシュアルマイノリティの問題など、一度立ち止まって考える必要があります。日本における当たり前は、世界の当たり前ではありません。 

 ぜひ、ジェンダーという言葉をあらためて考え直し、いろいろ議論してみましょう。 

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