STUDENT COLUMN

大学生LGBTsコラム 【LGBTsは先生も「理解者=ally」でなければいけません。ジェンダー平等、SDGsにも入ってます、時代は変わり続けているんです!!】

こんにちは。学生コラムの連載しています、大学三年生、 N・M(FTM) です。
大学では法律を学んでいます。趣味は筋トレと料理です。特に好きなのはお菓子を作ることです。

今回は、LGBTs教育について僕が思っていることを書こうと思います。

近年ではLGBTのことを取り上げる番組などが増え、LGBTsという言葉が目に触れるようになってきました。

しかしその一方で、LGBTsに対する偏見や間違った認識からくる差別的発言も目立つようになっています。

僕は、LGBTsについての正しい知識が人々の中にないことが原因の一つでもあるのではないか思っています

LGBTs教育について

前回、生徒編でもありましたが、近年LGBTのことを取り上げる番組などが増え、LGBTsという言葉が目に触れるようになってきました。

しかしその一方で、LGBTsに対する偏見や間違った認識からくる差別的発言も目立つようになっています。

LGBTs教育の意義はそういった間違った認識を取り除き、正しい知識を身につけていくことで差別や偏見をなくすことにあると思います。

教育をするにはまず先生から

まず、生徒に対して教えるためには先生側がきちんと理解をしていることが大切になってきます。

先生自身がもしも認識を誤っていたり、あるいは LGBTsに対してよく思っていなかったりすれば、恣意的な授業になってしまい、結果として差別を助長してしまうおそれもあるからです。つまり、先生が率先して理解を深めることが大切なのです。

そこで僕が考える先生たちの理解を深めるための方法を書いていこうと思います。

まず1つ目に、先生向けの研修を行うことが必要だと思います。

LGBTsそれぞれの意味や、性自認と性的指向の違いなど概論的なことを教えたり、社会における問題点(トイレの問題や各種制度など)を考える機会を設けるなど、生徒から相談を受けたときに適切に対応できるような基礎をつくる取り組みをするべきだと思います。

また、学校内における配慮の制度の構築、周知をすることも挙げられます。

たとえば、通称名の使用や性自認に合った制服の選択をする手続きなどを定め、それが生徒たちに広く周知させることができるように掲示したりプリントを配布するなど、生徒が学校に相談しやすい環境をつくるのです。

LGBTs教育をする前にわかっていてもらいたいこと
「考え方は人それぞれ」

これは先生だけではなく、すべての人に向けてのことです。

研修や勉強をして自分がLGBTsについてある程度理解ができたと感じても、それはあくまでも学説上のことを理解したに過ぎないということです。つまり一括りに性的マイノリティと言っても、人それぞれ悩みや考え方は全く違うということです。

僕はFTM(Tのトランスジェンダーに含まれます)なのですが、MTFやレズビアンやゲイの人など、自分と違うセクシュアリティを持っている人の悩みや生きづらさを知っているかと言われるとあまり自身がありません。それどころか、同じFTMの人でも家族や友人、学校にカミングアウトしている人、していない人、カミングアウトした際の周囲の反応などもそれぞれですし、自分自身が生きやすいと感じる環境も人によって違います。FTMの当事者である僕ですら自分以外のFTMの人達がそれぞれ抱える悩みは、その人とじっくり話さない限り理解することは難しいと思います。

人によって考え方が違うというのはおそらく多くの人がわかっていることだと思いますが、「LGBTsとは何か特別な存在」という意識からか、「レズビアンの人はこうだよね、ゲイの人ってこういう人たちだよね。」と悪意なく決めつけてしまいがちになることを防ぐためにも、僕も含め、皆さんも十人十色ということを忘れないように心掛けておくようにしたいと思います。

もしも相談されたら?

これからさらにLGBTsについて教育が行われたり、メディアで取り上げられたりすることで、先生に対して相談をする生徒が出てくるかもしれません。そうなったときに大切なのは、アウティングの禁止など、カミングアウトされたときの注意事項を徹底しておくということです。

僕は高校まで、 FTMということはあまり周りに話してきませんでした。抱えていた違和感が何なのか気づくのが遅かったということもありますが、やはり一番は友人を失うのが怖かったからです。今では人に話すことに抵抗があまりなくなりましたが、当時はなかなか人に相談することができませんでした。

カミングアウトをすることはとても勇気のいることです。もし、生徒からカミングアウトを受けた場合、その人は自分を信頼して、勇気を出してカミングアウトする人に選んでくれたと思ってほしいです。

たとえ自分が信頼している同僚や先輩の先生にも、その生徒の同意がない限り話してはいけません。基本的にはほかの人に話さないこと、話すときは必ず本人に相談することを徹底しなければならないと思います。

本人に黙って勝手に他の人に話してしまうと、それが原因でいじめなどが起きなかったとしても、深く傷つけてしまうことになってしまうかもしれません。

良かれと思ってしたことがかえってその信用を失うことにもつながり、アウティングを恐れて誰にも相談できなくなってしまうことがあります。

アウティングではないですが、僕は女子トイレを利用したとき、直接何か言われたというわけではないのに周囲の視線がとても気になってしまったことがあり、それ以来ずっと公共のトイレを利用することが出来なくなってしまいました。

たったそれだけで?と思うかもしれませんが、本人に及ぼす影響の大きさは本人にしかわからないのです。相談やカミングアウトをされたら、本人としっかり向き合ってあげることが、なによりも大切なことだとおもいます。

学生コラムの連載: N・M 大学三年生(FTM)

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