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LGBTの割合は?日本と世界でグラフ化。[2020年最新の調査結果]

ここ数年、LGBTへの理解が少しずつ進みつつあります。それだけ、LGBTと言える方が増えてきたということでしょう。

ここでは、LGBTにおける日本と世界の割合をグラフで紹介。2020年のデータに近い2019年などの最新データをベースに、LGBTの方がどれだけの割合いるのか確認していきたいと思います。

LGBTとは?

LGBTとは、セクシュアル・マイノリティを総称する言葉のひとつです。

  • レズビアン(L)
  • ゲイ(G)
  • バイセクシュアル(B)
  • トランスジェンダー(T)

これらの頭文字から構成されている言葉であり、セクシュアル・マイノリティの方々を包括していると考えられています。しかし、LGBTだけでセクシュアル・マイノリティを語ることはできません。

LGBT以外のセクシュアル・マイノリティ

LGBTは、セクシュアル・マイノリティの総称ですが、じつはほかにもさまざまな言葉あります。

  • LGBTQIAPK
  • LGBTTQQIAAP
  • LGBTs

LGBT以下のも文字がこれらを構成していますが、これだけセクシュアル・マイノリティは複雑であることがわかります。

  • トランスセクシュアル
  • クエスチョニング
  • アセクシュアル
  • パンセクシュアル

また、LGBTsの“s”などは数多くのセクシュアル・マイノリティを包括する言葉でもあり、LGBTだけに当てはまらない方々が数多くいることを示唆しています。

男性が男性のことを好きだったら、ゲイ。じつは、それだけでくくることは不可能だということなのです。

しかし、セクシュアル・マイノリティという呼称がつけられているように、少数派の方々であることは間違いありません。理解を深めるためには、日本や世界にどれだけLGBTの方がいるのか。それを、理解する必要があるのです。

世界のLGBTの割合

LGBTのカミングアウトや歴史などは、日本と比較すれば欧米の方が進んでいます。ここからは、世界のLGBTの方々の割合を見ていきましょう。

アメリカのLGBTの割合

さまざまなLGBTのパレードやイベントが行われている、アメリカ。LGBTをカミングアウトしやすい雰囲気であるが故に、その割合も多いイメージがあるでしょう。

アメリカの有名大学が調査した結果、約908万人のセクシュアル・マイノリティの方がいることがわかりました。

同国の生産年齢人口がおよそ2億4,000万人と考えると約3.8%になります。

イギリスのLGBTの割合

イギリスも、多くのLGBTの方がいる国として知られています。2016年に国家統計局が16歳以上を対象とした調査によると、約84万人の方がLGBTであったことがわかりました。同国による生産年齢人口が約4200万人といわれているため、全体数からみると約2%がLGBTとなります。

フランスのLGBTの割合

フランスは、多種多様な国籍の方がいる国ということで知られています。2014年のLGBTの割合の調査によると、全体の約7%がLGBTであることがわかりました。

同国の生産年齢人口がおよそ約4,200万人いると考えられていることから、約293万人の方がLGBTと回答したと考えることができるでしょう。

オーストラリアのLGBTの割合

オーストラリアは、南半球の中でもかなり広大な土地を有している国です。数多くのLGBTの方が住んでいると考えられています。

オーストラリアも、2014年に18万人ほどを対象としたLGBT数を調査。自分は同性愛者だと思っているのかという質問に対して、約3.4%の方が同性愛者だと思うと答えたとされています。

オーストラリアの生産年齢人口は、約1500万人ですので約53万人の方がLGBTの可能性があると考えられるでしょう。

ほかの国のLGBTの割合

ここまでは、代表的な国のLGBTの割合についてみてきました。そのほか、2017年の調査によるとドイツは約11%、スペインは約14%と示唆されています。

思ったよりも少ないと思うでしょうか。では、ここからは日本人におけるLGBT割合を確認していきましょう。

日本におけるLGBTの割合

世界には数多くのセクシュアル・マイノリティがいます。日本は、やっと近年LGBTへの理解が進んできたばかりであり、その数は少ないと思われがちです。

しかし、本当なのか。

2020年現在での最新のデータを確認していきましょう。

日本における最新データ

まず、ひとつ注意しなければいけないのが日本国内であっても様々なLGBTデータが存在しているところです。

当然、Aという地域の人たちを対象にしたものとBという地域で調査したものでは違いが出てきます。また、対象年齢や調査数によって差も出てくることでしょう。

ここでは、最新データとして「株式会社 LGBT 総合研究所(博報堂DYグループ)」が、調査したデータをベースにお伝えしていきましょう。

LGBT意識行動調査2019

同研究所が2019年4月から5月にかけて調査した、「LGBT意識行動調査2019」の結果をお伝えしましょう。

全国20歳から69歳の個人42万8,036名、有効回答者が34万7,816名の調査結果です。同研究所の調査によると、LGBT・性的少数者は全体の約10.0%という結果が示唆されています。

最新調査によると、日本は他国よりも割合としては高い傾向にあることがわかってきたのです。

世界と日本のLGBTの割合

あらためて世界と日本のLGBTなどのセクシュアル・マイノリティのおける割合をまとめてみましょう。

  • 日本:約10.0%
  • アメリカ:約3.8%
  • イギリス:約2.0%
  • フランス:約7.0%
  • オーストラリア:約3.4%
  • ドイツ:11.0%
  • スペイン:14.0%

これらを見ると、最新データから日本人のセクシュアル・マイノリティの数は少なくないことがわかります。

10.0%といえば、簡単に算出すると10人に1人は何かしらのセクシュアル・マイノリティを抱えていると考えられます。

データの注意点

しかし、日本におけるデータは前述したようにさまざまなものがあり、その対象者などによって前後しているため完璧なデータではありません。

「電通ダイバーシティラボ」が2018年に調査したものは、約8.9%。「働き方と暮らしの多様性と共生 研究チーム」の2019年の調査では約8.2%など開きがあります。

さらに、「働き方と暮らしの多様性と共生 研究チーム」の場合はLGBTの割合が約3.3%であり、「決めたくない・決めていない」などさらにセクシュアル・マイノリティの幅を広げた結果が、約8.2%と示唆されています。

世界同時に同じだけの人間を同じ研究機関が調査しない限り、完璧な数値はわかりません。ただし、参考として割合を確認しておくとよいでしょう。

LGBTが増えている可能性は?

LGBT調査は昔から行われていますが、年々増加している傾向にあると考えられています。その理由としては、「LGBT」に理解が少しずつながら進みつつあること。

また、セクシュアル・マイノリティであっても「LGBT」には当てはまらず自分がセクシュアル・マイノリティなのかわからなかった、という点があるでしょう。

LGBTQIAPKなど、セクシュアル・マイノリティの細かな定義が決まりだしたことを受け、自らがセクシュアル・マイノリティであることをいうことができるようになったのでしょう。

言いたくない方もまだいる

しかし、回答された方の中にはセクシュアル・マイノリティであっても、それをカミングアウトすることに恐れをなしている方も少なくないと考えられています。

例えば、調査結果から個人情報が漏れて特定されてしまう。

興味本位のアンケートだと感じて回答したくなかった。男性でも女性とも思っておらず、それに該当する回答欄がなかった。自分をセクシュアル・マイノリティと認めたくない。

LGBTは理解が進みだしたとはいえ、まだまだセンシティブな問題です。データが全てではなくあくまで傾向であり、もしかしたさらに多くいるという可能性があることは理解しておきましょう。

LGBTの割合は増えている

海外と日本に差はあるものの、世界的にそれをカミングアウトし始めている方は増えていることはたしかです。

これから2020年の最新調査が行われた場合、このデータ以上に増えている可能性は十分に考えられます。

ぜひ、このグラフを確認し、世界と日本のLGBTの現状を知る手だてとしてみてください。

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