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LGBTの象徴「レインボーフラッグ」の意味とは?色分けされた6色の理由。レインボーグッズも紹介。
LGBTはセクシュアル・マイノリティの総称のひとつ。近年、日本国内でも広く認識されてきています。そんなLGBTを象徴しているのが、「レインボーフラッグ」。
虹を思わせるこのレインボーフラッグは何を意味しているのでしょうか。ここでは、LGBTにおけるレインボーフラッグの意味や色分けについて解説していきたいと思います。
LGBTの意味は?
LGBTをあらわすレインボーフラッグ。その前に、そもそもLGBTの定義ついて確認していきましょう。
セクシュアル・マイノリティの頭文字
LGBTは、さまざまなセクシュアル・マイノリティの頭文字から構成されている言葉です。
- レズビアン(L)
- ゲイ(G)
- バイセクシュアル(B)
- トランスジェンダー(T)
セクシュアル・マイノリティを定義する上で重要なのが、身体の性と性自認、性的指向。これらによって定義されたこの4つのセクシュアル・マイノリティの頭文字がLGBTとなっているのです。
LGBT以外のセクシュアル・マイノリティ
レインボーフラッグを見てみると、4色のみで配色されているわけではありません。
LGBTをあらわすものであれば、本来は4色でまとまっているのが通常と考えてしまうでしょう。
詳しくは後述しますが、セクシュアル・マイノリティはLGBTといった4つの種類だけではありません。
インターセックスやアセクシュアル、トランスセクシュアルなど、まだまだ幅広いセクシュアル・マイノリティの方が存在しています。その証拠に、LGBTには「LGBTTQQIAAP」や「LGBTs」といったものもあり、より幅広いセクシュアル・マイノリティを包括します。
レインボーフラッグを理解する上で、セクシュアル・マイノリティにはさまざまな定義が存在していると覚えておくとよいでしょう。
レインボーフラッグとは?
LGBTを象徴するレインボーフラッグ。そもそも、どのような理由で作られたものなのでしょうか。
ギルバート・ベーカー氏
レインボーフラッグを考案した人物は、サンフランシスコのギルバート・ベーカー氏。1976年にデザインされ、1978年6月25日に開催された「サンフランシスコ・ゲイ・フリーダム・デイ・パレード」にて初めて公の場で使用されたとされています。
そもそも、なぜギルバート・ベーカー氏はレインボーフラッグを生み出そうと思ったのでしょうか。
美しい虹の色
1970年代後半、ゲイの解放運動における新たなシンボルが必要とされていた時代。その当時、シンボルとなっていたのはヒトラーに由来しているピンクトライアルでした。
歴史背景的に重要なシンボルではありましたが、やはりネガティブなイメージ。当時、市会議員であったハーヴェイ・ミルク氏から新シンボルを依頼されていたのが、ギルバート・ベーカー氏でした。
同氏は、新たなLGBTのシンボルを“虹”にしようと思い立ち行動を開始。その後の彼の活動によって、広く知られるようになったのです。
虹の意味は?
レインボーフラッグは虹をモチーフとしていますが、それぞれに意味が存在しています。一体、どのような意味を持ち合わせているのかお伝えしていきましょう。
各色の意味合い
レインボーフラッグが広まった当初、8色で構成されていました。まず、この8色の意味合いを見ていきましょう。
- ピンク=性
- レッド=生命
- オレンジ=癒し
- イエロー=太陽
- グリーン=自然
- ターコイズ=芸術
- ネイビー=調和
- パープル=精神
美しいという意味合いだけでなく、LGBTのレインボーフラッグにはこのような意味があったのです。
なぜ6色になった?
前述したようにレインボーフラッグは当初8色でしたが、現在では6色となっています。これは一体なぜなのでしょうか。
当初、このレインボーフラッグはセンセーショナルであったことから数多くの方に受け入れられました。
それに重なるようにLGBTの運動はそれと共に広がりを見せていきます。しかし、そうなると結果的にレインボーフラッグが大量に必要となっていきます。
8色のフラッグを大量に印刷することは当時の技術では難しく、技術の問題からピンクとターコイズを抜いた6色というかたちになったのです。
もちろん、これらの色合いの意味がレインボーフラッグから失われたわけではありません。
8色から6色に変わっても、その深い意味合いは失われずに受け継がれ続けているのです。
8色であった意味合い
レインボーフラッグは、当初8色だったとお伝えしました。しかし、なぜ8色というレインボーフラッグからスタートさせたのでしょうか。
偶数だった
LGBTにおけるレインボーフラッグがなぜ8色だったのか。これには、各種さまざまな意見があるようですが、本来の理由は偶数であったからといわれています。
8色中、レインボーフラッグは半分が暖色で半分が感触で構成されています。虹については色彩学にてスペクトラムと言われていますが、それが表現されるバランスが8色だったのです。
さまざまなレインボーグッズ
LGBTを象徴するレインボーフラッグ。じつは、これをモチーフとしたグッズが多数売られています。どのようなものがあるのか紹介していきましょう。
缶バッジ
まず、普段使いしやすいのが缶バッジです。有名ブランドからも出され、手軽にイベントで手に入れやすいのでおすすめ。バッグにもつけられます。
シール
車や楽器、何らかのPC、スマートフォンにも貼ることができるLGBTシールはとても便利なグッズです。カジュアルな価格ですので、ぜひ見つけたら手に入れましょう。
ステーショナリー
鉛筆、付箋、ボールペンなどにもLGBTグッズは多数存在しています。仕事中や勉強中などにも使えるため身近な雰囲気を演出できます。
そのほか、ウェアやフラッグそのもの、手作りのものなどがあります。ぜひ、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
商業的なイメージは?
1978年に初めて公の場に登場したレインボーフラッグ。
今や、数多くのイベントでこのレインボーフラッグが使用されており、LGBTを象徴するもっともわかりやすいシンボルとなっています。6色となった後もレインボーフラッグが数多くの人々に受け入れら、それがグッズなどになっています。
商業的な扱いを受けることに賛否両論がありそうですが、LGBTフラッグにおいては素晴らしいことだといわれています。
幅広く認められている証拠
自らの世界観が商業主義的な世界になることを嫌う方は少なくありません。
しかし、LGBTを象徴するフラッグについては素晴らしいことだという意見が少なくありません。セクシュアル・マイノリティは、世間に受け入れられない部分もあります。
しかし、レインボーフラッグが商業化されることにより、幅広い人たちがLGBTについて理解を深めるきっかけとなるのです。
レインボーフラッグが日常的に当たり前の存在となっていくような活動が、LGBTの理解を広げるきっかけとなります。
レインボーフラッグ以外のフラッグがある?
レインボーフラッグは、LGBTを象徴するフラッグです。
しかし、セクシュアル・マイノリティを表現しているフラッグはこれだけではありません。一体、どのような種類があるのか簡単に紹介していきたいと思います。
レズビアンフラッグ
紫地に黒地の逆三角形のマーク、そしてその中心に配置される斧のモチーフ。さまざまな歴史を経てきたマークではありますが、現在ではレズビアンコミュティもシンボルとして利用されています。
中心部分に位置している斧は、「ラブリュスの斧」とされており、レズビアン含めフェミニストの強さを表現していると考えられています
バイセクシュアルフラッグ
男女問わず性的指向という特徴を持つ、バイセクシュアル。ピンクとラベンダー、ブルーといった3色で構成されているフラッグがシンボルとされています。
ピンクはレズビアンやゲイ、ブルーは異性を愛する異性愛者、ラベンダーがバイセクシュアルをあらわしています。
ラベンダーは、ピンクとブルーを混ぜたらできる色であり、バイセクシュアルを色濃くあらわしていると考えられています。
歴史の深いレインボーフラッグ
LGBTを象徴するレインボーフラッグ。何気なく見ていた方もいたかもしれませんが、古い歴史とさまざまな意味があることがおわかりいただけたと思います。
レインボーフラッグだけでなく、セクシュアル・マイノリティにはいろいろなフラッグがあります。これを機会に、セクシュアル・マイノリティへの理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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