COLUMN
アセクシャル診断テスト – 簡単チェック項目。恋愛感情を抱かないセクシュアリティについて。
LGBTという言葉が広まりつつある今、さまざまなセクシュアリティへの理解も進みつつあります。
そんなセクシュアルマイノリティのひとつが、アセクシュアル。
近頃、よく耳にする言葉かもしれませんが、詳しく理解できていない方もいるかもしれません。ここではアセクシュアルについて、アセクシュアル診断などについて解説していきましょう。
セクシュアルマイノリティについて
冒頭で、アセクシュアルはセクシュアルマイノリティのひとつとお伝えしました。
アセクシュアルを知る上で、そもそもセクシュアルマイノリティとは何か…ということを理解しておく必要があります。まずは、セクシュアルマイノリティと何か考えていきましょう。
セクシュアルマイノリティとは?
マイノリティとは、多数派を意味するマジョリティの対義語として使用されている言葉です。
セクシュアルマイノリティとは、ストレートなどの多数派のセクシュアリティとは違う性のことを指して使われている言葉です。
しかし、セクシュアルマイノリティはひとつではありません。数多くのセクシュアリティがあり、それを知ることで性の多様性に気づくことができます。
セクシュアルマイノリティを知ることは、人間の多様性を知るという意味でもあるのです。
セクシュアリティを決める要素とは?
セクシュアリティは単純に決められることではありません。さまざまな要素が組み合わさり、その人自身のセクシュアリティがわかるとされています。アセクシュアルを理解する上でも、セクシュアリティを決める要素について知っておきましょう。
身体的性
身体的性とは、染色体や外陰、内陰、性ホルモンなど生まれた時から身体的に決められている性のことです。
性自認
性自認とは、身体的性に関わらず、自分自身がどのような性と考えているか…という要素です。自らを女性と認識している場合は、性自認は女性という認識となります。
性的指向
性的指向とは、どのような性を好きになるか、という要素です。例えば女性という性に惹かれるのであれば、性的指向は女性に向いているということになります。両性に性的指向が向く、どの性にも向かないなどさまざまな方がいます。
性表現
性表現とは、自分をどのような性に見せたいか、という要素です。自らを男性に見せたいという意味で髪型やファッション、言動を男性的にするのであれば、性表現は男性という考え方になります。
さまざまな要素から決められるセクシュアリティ
これらが複雑に組み合わさり、その人のセクシュアリティが決められます。もちろん、要素はこれだけに当てはまりませんが、これだけでも多様性があることが理解いただけるはずです。では、この要素を踏まえた上でアセクシュアルについて詳しく解説していきましょう。
アセクシュアルについて
アセクシュアルは、セクシュアルマイノリティのひとつです。Asexualという文字から、エイセクシュアルと呼ばれることもあります。
アセクシュアルとは?
アセクシュアルとは、「他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱くことのないセクシュアリティ」と定義されています。
他者に対して恋愛感情を抱かないというアンロマンティックというセクシュアリティもありますが、日本の場合は他者に恋愛感情を抱かずに性的欲求も抱かない…という意味も含められてアセクシュアルと表現されることが多いようです。
ノンセクシュアルとの違い
アセクシュアルは、ノンセクシュアルと似ているため混合される方もいるかもしれません。
ノンセクシュアルとは他人に性的魅力を感じないというセクシュアリティではありますが、恋愛感情は抱くとされています。そのため、その両方を他者に抱くことのないアセクシュアルとは、別のセクシュアリティであることが理解いただけるでしょう。
現在、アセクシュアルは広義の意味で「他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱くことのないセクシュアリティ」。
狭義では、「他者に対して性的欲求を抱かない人」という形で使われています。
アセクシュアルの割合は?
アセクシュアルは、どのくらい日本にいるのか知りたいという方もいるでしょう。
セクシュアルマイノリティについて研究している団体や企業、公共機関がありますが、「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(協力・大阪市)によると、人口に占めるアセクシュアルの割合は約1%ほどと発表されています。
アセクシュアル診断とは?
自分自身はアセクシュアルなのか、気になる方もいるかもしれません。ここでは、アセクシュアルを診断するためのいくつかのチェック項目を用意しました。
ただし、これが当てはまったから100% アセクシュアルとことではなく、あくまで傾向であり参考という程度で受け止めていただくとよいでしょう。
アセクシュアル診断テスト
これからいくつかの簡単な項目をお伝えしていきます。気軽にテストしてみましょう。
- 性行為自体に興味がない
- 性行為に嫌悪感を持っている
- 性行為自体に抵抗がなく、大事に思えない
- 性行為などの話についていけない、または興味が一切ない
- 色気のある服装などを着用している人を見ても、性的な欲求が生まれない。“寒そう”など機能性にしか感情が湧かない
- さまざまな媒体で登場する性行為のシーンなどに興味がなく、不要なものと捉えている
- 性行為は必要ではない、ない方が好ましいと考えている
- 性行為に興味はあるが、その興味の対象が一般的な他者とは違っている
- 性行為自体は嫌いではないが、イマイチ腑に落ちない
- 恋愛自体に一切興味がなく、嫌悪感すら感じる
- 恋愛をしない方が好ましく楽である
- 恋愛感情の意味が理解できず、他者を好きになる感覚もわからない
- 恋の話が理解できない、また理解したいと思わない
- ラブストーリー系のフィクションが面白くない、共感することがない
愛情がないわけではない
アセクシュアル診断テストとして、簡単なチェック項目をお伝えしてきました。
繰り返しになりますが、これらが全て当てはまったからといって確実にアセクシュアルとは限りません。
また、これら当てはまる部分はあったけれど、当てはまらない部分もあった…という方であれば、ほかのセクシュアリティも検討してみてもいいでしょう。
さて、アセクシュアルの特徴を見ていくと、他者に愛情を抱くことがない冷たいセクシュアリティというイメージとなる方もいるかもしれません。
しかし、アセクシュアルは決して他者に愛情を抱かないセクシュアリティというわけではありません。
友人や家族に対して
アセクシュアルは、愛情を抱かないから感情がない…と勘違いしている方もいるかもしれません。
しかし、嬉しいとか悲しいとか、悔しいなどアセクシュアルの方であっても普通に感情は持っています。
さらに、友人や家族への愛情は感じますし、楽しく笑顔で毎日を愛情たっぷりで過ごしたいとも考えています。
また、家族愛を感じることからアセクシュアルの方の中には、“結婚願望”を持つ方もいます。家族のように支えたい、自分を支えてくれる存在が欲しいといった感情もあるのです。
間違った認識ではなく、あくまでひとつのセクシュアリティとしてアセクシュアルを捉えていきましょう。
多様性を知る
アセクシュアルについてお伝えしてきました。アセクシュアルはもちろん、セクシュアルマイノリティについて広い視野で受け止める必要があります。アセクシュアルはもちろん、これをきっかけにさまざまなセクシュアリティについて理解するよう努めていきましょう。
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