COLUMN
トランスヴェスタイトとは?意味を日本語訳して解説。クロスドレッサーとの違いは?
さまざまなセクシュアリティがある今、トランスヴェスタイトという言葉にも注目が集まっています。
LGBTにおけるトランスジェンダーと近いといわれたり、クロスドレッサーといわれたり、まだはっきりと認識されていない部分もあるようです。ここではトランスヴェスタイトについて、その他のセクシュアリティとの違いをみていきます。
LGBTについて
トランスヴェスタイトを知る上でまず知っておきたいのが、LGBTについてです。まず、LGBTとはなにか…という部分を確認していきましょう。
LGBTとは?
LGBTはセクシュアルマイノリティの総称として使用されている言葉のひとつです。
★レズビアン(Lesbian)
★ゲイ(Gay)
★バイセクシュアル(Bisexual)
★トランスジェンダー(Transgender)
これら4つのセクシュアリティの頭文字から構成されている言葉ですが、もちろんセクシュアリティはこれだけではありません。これ以下に続くセクシュアルマイノリティがあり、レズビアンやゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの中にもさまざまな種類があります。
今回お伝えするトランスヴェスタイトについても、数多く存在しているセクシュアリティのひとつ。決して特殊なものではなく、ほかのセクシュアリティと同じように理解していく姿勢が必要になってくるでしょう。
トランスジェンダーについて
トランスヴェスタイトは、トランスジェンダーと思われている部分もあります。まず、トランスジェンダーとはどんなセクシュアリティなのか考えていきましょう。
トランスジェンダーとは?
トランスジェンダーとは、自分が自認している性と身体的な性が一致していない方を指した言葉です。LGBTのTに該当する言葉ですが、じつは広義と狭義が定められているといわれています。
広義と狭義
トランスジェンダーは、前述したように性自認と身体的性が一致していないという方を指した言葉です。
しかし、この不一致に違和感を持っている方やそうでない方がいますし、違和感を感じているものの外科的な手術を受けることまでは求めないなど、いろいろな方がいます。トランスジェンダーを理解する上で、広義や狭義を理解することが重要になってくるでしょう。
さて、そんなトランスジェンダーの種類の中に当てはまっているのが、トランスヴェスタイトです。身体的性と性自認が一致していないトランスジェンダーの中のひとつと考えると、トランスヴェスタイトが理解しやすいのではないでしょうか。
トランスヴェスタイトとクロスドレッサー
ここからは、深くトランスヴェスタイトについて考えていきます。
トランスヴェスタイトを知る上で必ず出てくる言葉が、「クロスドレッサー」です。
トランスヴェスタイトとクロスドレッサーは同じくくりで語られていることもあったり、別のものとして分けられていたり複雑な部分があります。ここでは、この二つにどのような違いがあるのかをしっかりと解説していきたいと思います。
クロスドレッサーとは?
まずクロスドレッサーから理解した方がわかりやすいかもしれません。クロスドレッサーを簡単に解説すると、「自分と反対の性別の服装を着る方」を意味する言葉です。
このクロスドレッサーを考える時に重要な部分が、趣味・嗜好のひとつとして異性のファッションをしているだけ…というところです。
性表現という言葉がありますが、これは自分が外部に対してどのような性として見られたいか表現する要素となります。クロスドレッサーは、性表現における反対の性のファッションをする…ということであり、それ以上のそれ以下でもないと考えることができるでしょう。
また、とある人が男性が女性のファッションに身を包むクロスドレッサーと自認していたところで、ゲイかそうではないかは一切関係ありません。あくまで、性表現におけるものであるため、そこにジェンダーや性的指向なども絡むことはないということです。
トランスヴェスタイト
トランスヴェスタイトは、自分と反対の性別の服装を着用するという意味ではクロスドレッサーと一緒です。しかし、大きな違いがそれを身につけることで性的興奮を感じるという部分となります。
とはいえ、その人の性的指向や性自認は一切関連せず、あくまで性表現として自らの性別と反対の服装を着用することにより興奮する…というところもポイントでしょう。
異性愛者や同性愛者、トランスジェンダーなどこれらセクシュアリティに関係なく、トランスヴェスタイトはトランスヴェスタイトである…という可能性があるということです。
あくまで服装である
トランスヴェスタイトとクロスドレッサーの違いをお伝えしました。
性的興奮をするか否か…という部分で大きな違いがあるものの、異性の服装を身につけるという部分は同じです。
さて、トランスヴェスタイトを考える時に大切なことは前述したようにセクシュアリティなどに関連せずトランスヴェスタイトであることです。どういったことなのか詳しく解説していきましょう。
決めつけてはいけない
トランスヴェスタイトをする方の中には同性愛者の方がいたり、アロマティックの方がいたり、バイセクシュアルの方などもいるかもしれません。
その一方で異性愛者でストレートと呼ばれる方もトランスヴェスタイトである可能性があるのです。つまり、異性の服装をしているからといって他人がその方のセクシュアリティを決めつけることはできない、ということになります。
例えばセクシュアリティ関連の情報にあまり知識がない方の場合、異性の服装に身を包んでいる方をみて勝手な思い込みをしてしまうことがないでしょうか。
男性なのに女性の服装をしているからゲイかな、女性なのに男性のファッションをしているからレズビアンの方かな…など、相手のことを知らないのにもかかわらず決めつけることです。
トランスヴェスタイトは、あくまで異性の服装に身を包みたいというセクシュアリティであるため、そこから紐づけられるセクシュアリティが完全に決まることはないのです。
ドラァグについて
異性の服装をするということから、ドラァグという言葉を思い浮かべる方もいるかもしれません。一体、どのようなものなのか解説していきましょう。
パフォーマンスアート
ドラァグは、セクシュアリティのひとつではありません。
クロスドレスをベースにしているパフォーマンスアートのことをドラァグと呼んでいます。つまり、異性の服装を来てパフォーマンスを行うアートパーフォーマンスであり、それを演じている方のセクシュアリティなどは一切関連していないということです。ド
ラァグには、さまざまな種類があります。
ドラァグ・クイーン
女装をした男性パフォーマーの方をドラァグ・クイーンと呼びます。
ドラァグ・キング
男装をした女性パフォーマーをドラァグ・キングと呼んでいます。
フォー・クイーン
男性ドラァグ・クイーンのように扮している女性パフォーマーをフォー・クイーンと呼んでいます。
フォー・キング
女性ドラァグ・クイーンのように扮している男性パフォーマーをフォー・キングと呼んでいます。
トランスヴェスタイトを理解する
トランスヴェスタイトについてお伝えしてきました。トランスヴェスタイトなど、性表現などに関連するセクシュアリティもあります。トランスヴェスタイトをきっかけに、幅広いセクシュアリティを考えていきましょう。
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