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LGBTの教育事情。海外や日本の取り組みの違いや問題点、今後の課題についても解説。

LGBTという言葉が広く認知されるようになってきました。 

しかし、LGBTの表面的な部分ではなく、本来は深い意味で理解すべきでしょう。日本はジェンダー平等に関しても海外と遅れているといわれていますが、LGBT教育も同様です。 

ここでは、LGBTの教育事情。海外や日本の取り組みの違いや問題点、今後の課題についても解説していきます。 

LGBTやセクシュアリティについて 

LGBTの教育問題を考える際、まずLGBTやセクシュアリティという言葉について考える必要があります。おさらいのつもりで考えていきましょう。 

LGBTとは? 

LGBTとは、「★レズビアン(Lesbian)★ゲイ(Gay)★バイセクシュアル(Bisexual)★トランスジェンダー(Transgender)」という4つのセクシュアリティから構成されている言葉です。 

セクシュアルマイノリティの総称として使用されていることでも知られています。 

セクシュアリティについて 

LGBTはセクシュアルマイノリティの総称とお伝えしました。しかし、セクシュアリティは多様であり、LGBTだけで包括されるものではありません。 

LGBTの教育を考える時、さまざまなセクシュアリティがあることを理解しなければ、それぞれが抱える問題や暮らしやすい環境づくりに繋がりません。 

詳しくは後述しますが、日本と海外のLGBT教育の違いはこういった部分への理解でも差がつけられているのかもしれません。 

日本のLGBT教育 

冒頭で日本はジェンダー平等が海外に比べて遅れている…ということを伝えました。もちろん、世界にはさまざまな制度が残っている国があるのですが、先進国の中ではかなり遅れているといわれています。 

そうなると日本はLGBT教育を一切していないのでしょうか。 

ここからは、日本におけるLGBT教育や制度について見ていきます。 

2003年から 

LGBT教育をスタートさせるためには、制度などの制定が必要になってきます。 

実は2003年、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律を成立させています。2000年代の序盤から日本政府は、LGBT問題への取り組みを開始していたのです。 

おもにトランスジェンダーの方への対応である制度でしたが、これを皮切りに教育現場に数多くの問題がある…ということが確認され、2010年に文部省から教育委員会への事務連絡として「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」が発出されています。 

政府から数多くの対応 

LGBT教育を進めるために、日本政府は数多くの対応をすすめました。 

2015年に発出された、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」、2016年にLGBTにおける教職員向け手引きの作成と公表。 

2017年にいじめ防止対策推進法に基づく基本方針の改定など、LGBTにおけるさまざまな対応が盛り込まれていきました。これだけ見ると日本のLGBT対策は十分なような気がします。 

2020年に民間においても、保健体育の教科書にLGBTについての記載が追加されるなど、LGBT教育の現場は対応を強化しているように見えるでしょう。しかし、ほかLGBT問題を進めている海外と比べると問題点も見えてきます。 

海外との違い 

日本におけるLGBTへの教育。海外とはどういった部分が違っているのでしょうか。 

海外と日本の違い 

まず、中高生のLGBTコミュニティーの組織化を図ったり、教育者を対象としたLGBT関連の教育を徹底すること、企業など一般人への教育も進められています。

フランスはそもそも同性婚が認められていますし、歴史的は背景から社会制度的な側面、生命倫理といった側面からも学べる土壌ができあがっているといわれています。 

LGBTフレンドリーな国としても知られているフィンランドでも、文化的・科学的観点から教育がおこなれているだけでなく、ジェンダー問題などさらに一歩進んだ教育も徹底されています。 

もちろん、LGBTフレンドリーの国で一切の問題がない…ということはありません。

しかし、日本と比較するとLGBT問題への対応の土壌ができあがっており、幼い頃からしっかりと学ぶことができているのはたしかです。 

LGBTの教育現場について 

進んでいるようで、まだまだ遅れている日本のLGBT教育の現場。 

しかし、日本でもLGBT問題に積極的に取り組んでいる教育現場は数多く存在しており、そういった方たちの対応を知っておく必要があります。ここでは、日本におけるLGBT教育の現場について考えていきたいと思います。 

学校生活の支援など 

例えば、当事者の方が入学する際にその学校が組織的に取り組むことが指示されています。例えば、校則における髪の毛の規程をゆるくしたり、保健室や多目的トイレへの対応、自認する性の体操着や制服の着用を認めるなどです。 

もちろん、そういった生徒へのほかの生徒や教師の理解が必要です。LGBT対策を進める際には、周囲の理解と環境づくりが重要なことがこれでわかります。 

医療現場や相談所 

LGBT教育を発展させるためには、学校内だけでの対応では進めることができません。そこに必要になってくるのが、医療現場や相談所との連携です。 

医療現場や相談所との連携 

例えば、当事者が学校に相談したとしても、正しい知識ががなかった場合、間違った対応をしてしまう可能性があります。 

さらに、当事者のセクシュアリティを知識がない方が勝手に決めたり、「相談したのだからいいだろう」ということでアウティングするなどあってはなりません。医療機関と連携することにより、正しい助言、そして対応ができるようになるのです。 

さらに、相談所の設置です。 

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、さらに児童相談所の担当者など、教師だけではないプロの方たちと連携して相談場所をつくっておく必要があります。 

仮に、いつも一緒に勉強している教師には話したくない、仲のよい先生には知られたくない…など、近しい人だからこそ悩みを打ち明けられない…という当事者もいるかもしれません。 

そういったことを加味すると、LGBTの教育現場に相談所の設置は重要なことなのではないでしょうか。 

ディープラーニングの問題 

近年、少しずつ日本の教育現場も変化が訪れています。 

しかし、先鋭的な教育をされている学校はまだまだま少なく、全体的に昔のあり方を踏襲しているといってもいいでしょう。日本におけるLGBT教育の問題点や今後の課題は、この日本の教育のあり方の根本にあるのです。その理由を解説していきましょう。 

教育の仕方 

海外に比べて、LGBTへの教育が日本は遅れているとお伝えしました。しかし、日本では数多くの制度が政府が出されていますし、保健体育の教科書にLGBTが記載されるなど、その基盤は整いつつあるともいえます。 

一体、どんな違いがあるのでしょうか。まず、アメリカの教育現場を見てみるとその問題点が見えてきます。アメリカの教育現場が取り入れているのが、ディープラーニングという手法です。 

深い学習という意味ですが、基本的に生徒が主体となってディスカッションを重ねていく勉強法となります。 

例えば、LGBTに対してどう対応するのか…ということをディスカッションし深くチームで理解する。発言を求められたり、対応の仕方を考えたりすることで自然と理解が深まります。しかし、日本の場合は表面的な学習が主体です。 

教科書から記号のように覚えるだけですので、どうしても生徒によって温度差が出てしまいます。さらに、大学の試験勉強に出ないとなればその分野は捨てるという学び方にも問題があるでしょう。 

教育現場としては、「教科書に掲載している」といえますし、学ぶ方も「何となく習った」という程度のレベルになってしまう可能性があるのです。 

学ぶ姿勢についても考える 

LGBT教育の現場は、数年前に比べれば飛躍的に改善しています。しかし、問題は学ぶ側の姿勢にもあります。学びたい、考えたい、当事者の気持ちを知りたい。 

 
学ぶ側がしっかりとLGBTに向き合いたいと思えるような、土壌づくりが今度の課題ではないでしょうか。 

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