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性表現とは?身体的性、性自認、性的指向の意味についても簡単にわかりやすく解説。
セクシュアルマイノリティについて知りたい時、重要になってくるのが、セクシュアルマイノリティを定義する要素です。LGBTをはじめ、数多くのセクシュアルマイノリティはこれら要素を参考に定義されています。
ここでは、数ある要素の中のひとつ「性表現」について解説していきたいと思います。
セクシュアリティについて
性表現について考える前に、まずセクシュアリティとは何か、という部分について理解しておきましょう。
セクシュアリティとは?
セクシュアリティという言葉を理解しているようで、じつはよくわかっていないという方もいるかもしれません。
普段、日本でセクシュアリティという言葉を使うことがない方であればなおさらです。ここでいうセクシュアリティは、「人それぞれの性のあり方」という解釈で進めています。
自分自身の性についての考え方、性のあり方など、その人自身の考える「性」のあり方と理解すると分かりやすいかもしれません。
セクシュアリティは多様
ひとつの物事をとっても10人いれば10人それぞれの考え方というものが存在します。それは性に対しての認識も同様であり、10人いれば10人の考え方があってしかるべきです。
例えば、性は男性・女性の二つしかあり得ないという考え方と、男性・女性ということにとらわれず自分が考えている性でありたいという方がいたとします。
前述したように、男性・女性という2つの性だけではなく、さまざまな考え方が認められて良い世の中である必要があるのではないでしょうか。
LGBTは、「★レズビアン(Lesbian)★ゲイ(Gay)★バイセクシュアル(Bisexual)★トランスジェンダー(Transgender)」という4つのセクシュアリティの頭文字から構成されている言葉です。
つまり、LGBTという言葉ですでに4つのセクシュアリティが存在しているということです。
セクシュアリティという言葉を理解するということは、性の多様性に気がつき理解することなのです。
セクシュアリティを決める要素
セクシュアリティは多様であるということが理解いただけたと思います。しかし、多様であればあるほど、それぞれのセクシュアリティのあり方を理解するのが難しくなるかもしれません。
冒頭でお伝えした通り、セクシュアリティを決める要素というものがあります。
今回主題である性表現もそのひとつですが、ほかの要素についても知っておく必要があるでしょう。ここからは、セクシュアリティを決める要素について考えていきます。
4つの要素
セクシュアリティを決める要素は、大きく分けて4つあるといわれています。
★身体的性 Sex
★性自認 Gender Identity
★性的指向 Sexual Orientation
★性表現 Gender Expression
これらがセクシュアリティを定義する要素として使われています。それぞれについて、簡単に解説していきましょう。
身体的性
身体的性とは、生まれながらに定められてる性のことです。性腺や性ホルモン、外陰、内陰といった要素によって定められた性別になります。
性自認
性自認とは、自らがどのような性と自認しているか、という要素です。少しわかりにくいかもしれませんが、要するに「自分は男性だ」と自認している方の性自認は男性になり、「自分は女性だ」と自認している方は性自認が女性となります。
性自認は、身体的性に関連せず自らが思っていることですので、身体的性と性自認が一致しないセクシュアリティもあります。
性的指向
性的指向とは、どのような性に恋愛感情、性的感情を抱くか、という要素です。
例えば、女性が好きという方は性的指向が女性に向いていると考えられ、男性が好きという方は性的指向が男性に向いているといえます。もちろん、異性が好きという方や同性が好き、両性が好き、相手の性にとらわれず好きなどいろいろな性的指向のかたちがあります。
性表現
今回の主題である性表現とは、「どのような性を表現したいか」という要素になります。詳しくは後述しますが、自らを男性と表現したい方が男性らしいファッションをするなど、自分が考える性らしい表現をする要素が性表現です。
性表現について
セクシュアリティを決める要素について解説してきました。
ここからは、より深く性表現について考えていきたいと思います。
性表現とは?
性表現については前述していますが、より詳しく見ていきましょう。
性表現とは、自らの見た目を「男らしくしたい」とか「女らしくしたい」といった、自分が見せたい性の特徴を表現する要素です。
また、言動なども性表現に当てはまります。男らしいと思われたいので男性らしい口調で話すとか、女性らしい言葉遣いで女性を表現するといったことも性表現にふくまれるでしょう。
トランスジェンダーとの違いはある?
性表現は、自らが表現したい性のことですが、トランスジェンダーと似ていると思われていることもあるようです。ここでは、性表現とトランスジェンダーの関係性について考えていきます。
トランスジェンダーとは?
トランスジェンダーとは、LGBTのTに対応するセクシュアリティです。
トランスジェンダーは、身体的性と性自認が一致していないセクシュアリティという定義になっていますが、じつは広義と狭義があると考えられているようです。
例えば、トランスセクシュアルは身体的性と性自認が一致していないことに違和感を抱いているセクシュアリティ、トランスヴェスタイト(クロスドレッサー)は身体的性と性自認は一致している中で、それとは違う性の服装を身につけるセクシュアリティ、狭義のトランスジェンダーは身体的性と性自認が不一致であるものの外科的手術を求めていないセクシュアリティとされています。
性表現との違い
性表現とトランスジェンダーの違いは、まずトランスジェンダーはセクシュアリティであり、性表現はセクシュアリティを決める要素のひとつということです。
例えば、身体的性と性自認が一致している中で、身体的性に合わせた性表現をする方もいます。また、身体的性と性自認が一致しておらず、性自認における服装や言動をしている方もいますが、トランスジェンダーと決めつけることはできません。
あくまで性表現は、自らが表現したい性別を表現しているだけであり、そこに何らかのセクシュアリティの要素が確実に入っている、ということではないのです。
社会のあり方と性表現
性表現と一口にいっても、さまざまな表現があります。
例えば、男性らしいとか女性らしいというジェンダー的な考え方に左右されて性表現を変化させている方がいます。
さらに、そういった社会の当たり前という風潮に左右されずに自分がしたい性表現を貫く方もいます。もちろん、男性でもなく女性でもないという性表現も存在します。冒頭でもお伝えしているように、10人いれば物事の見方は10通り存在します。
当事者が表現したい、なりたいと思っている性表現について社会が何らかの圧力をかけることは本来あってはならないことかもしれません。
男らしく、女らしくという考え方も性表現に大きな影響を与えているでしょう。
性表現は、自らが表現したい性といえば簡単ですが、理解する上では非常に大切な要素であり、テーマでもあるのです。
性表現について深く理解する
性表現についてお伝えしてきました。性表現について深く知るきっかけになれば幸いです。
セクシュアリティは多様であり、一人一人が自らをどう表現していくか考えているはずです。
性表現という要素も、性の多様性を考える上で重要な要素です。ぜひ、これを機会に深く理解する努力をしてみてはいかがでしょうか。
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